$伊藤さとりオフィシャルブログ「さとりのひとりゴト あの映画のウラ・オモテ」Powered by Ameba

「バジルとかトマトとかポーちゃんがやってる農園で

 色んな野菜を取って来たから食べてね」


 ポーちゃんとは彼女のカレのことで、2人はご近所に住む

 お友達カップル。


 茄子と熟したトマト、バジルに小振りなピーマンを小口切りに

 そこにオリーブオイルと白ワインと塩こしょうで味付けして

 野菜ごろごろパスタを作ってみた。


 かぼちゃは蒸して自然の味を楽しんでみた。



 愛情いっぱい注いで育てたポーちゃんの野菜が

 カレの愛する彼女によって詰まれて私の口へ。


 ふふふ…… 幸せが体内に入って来る感覚。


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 ひとつ気がかりだったことが。


 それはこないだの土曜日、『NECK』初日舞台挨拶巡りで

 栗山千明ちゃんと今敏監督のアニメ話しになった時のこと。


 「『妄想代理人』がすごく好き!」


 そう言う千明嬢と最終的に盛り上がったのは……

 
 『パーフェクト・ブルー』が凄くて怖い!!


 「アイドルがストーカーをされる話しだからリアルだろうよ。

  けれど傑作!絵は可愛いけれど怖くて眠れないー!」

 
  そう言うと、私はもうひとつ付け足した。

 
 「ご本人は怖そう。私は司会だったから優しかったけれど」


その後の今月25日、今敏監督が46歳という若さで

すい臓ガンで永眠されたというニュースが飛び込んできました。


『千年女優』という原節子さんをモチーフにした的な

アニメーション映画でご一緒した。

 
自身の作品に誇りと責任を持っているから宣伝にも気を使っていた。


『パーフェクト・ブルー』とか忘れられなくて

『千年女優』を見た時に確信した。



この人の頭の中で展開される世界は、カラフルでめくるめくシーンが

ハイスピードで繰り広げられてるんだ、なんてスゴいの!!
 

『パプリカ』を見た時にはこう思った。


私の好きな筒井道隆氏の世界をアニメーションで完璧にしちゃった!


こだわりのあるこの監督が亡くなられて

公式HPに載っていた「遺言」を読んで力が抜けた。


自分が生んだ作品に責任を持っているから、死ぬ直前まで

なんとか冷静に対処しながら世に残る作品のファンや関わった人達に

挨拶をしてしまえるなんて……。


魂が燃えつけるまでってこういうこと?!


だから反省してる、軽んじた発言でした。



私は、映画を通して言葉で表現する仕事を選んだのだから


“言霊”という言葉を大切にしている。


声や文字を使って、“言霊”をメディアを使わせてもらって広める。


キャラクターの魅力やテーマの素晴らしさ

映画に関わるスタッフの素晴らしさを伝えること。


それを通してアナタや私が自分に照らし合わせて

”深く息を吸い込んで笑顔で歩む” 為の気づきの書(映画)を

見てくれたらイイと思うのだけど。


だから今敏監督のスケール感は誰にもマネできないのです。


『パプリカ』……あの圧巻の大名行列シーンは

今でも目に焼き付いている。