伊藤さとりオフィシャルブログ「さとりのひとりゴト あの映画のウラ・オモテ」Powered by Ameba-2010051318480000.jpg


「好きな女優は?」


質問を頂いたんです。


ルックスとかどがえしして、私は「スクリーンで存在感を放つ」

そんな女優が好き。


不細工に見えようがお構い無しに、泣いたり憎らしい顔をする。


だから、『愛のむきだし』の満島ひかりさんや安藤さくらさん

『ゼロの焦点』の中谷美紀さんや

『エディット・ピアフ』のマリオン・コティヤールや

『吉原炎上』の名取裕子さんや西川峰子さん(強烈デシタ!)

『鬼龍院花子の生涯』の夏目雅子さんとか

『シークレット・サンシャイン』のチョン・ドヨンさんとか。


振り切った演技を見せる人に目が離せないのです。



松たか子さんが、ついに振り切った演技を見せてマシタ。


今日見た映画『告白』


湊かなえさんの衝撃の本を『嫌われ松子の一生』の

中島哲也監督が映画化した。


しばらく頭から離れないと思う。


イジメや復讐という暗く悲しく醜く重いテーマを

何故、映画にわざわざするの?


見る前は、そう一瞬頭をよぎり、でも、ワイドショーを見る様に

興味をそそられ、試写が楽しみで、、、。


人間って、そういう風に善悪どちらも持ち合わせてて

他人事だからイジメも殺人事件もTVのニュースをお茶の間で

「悲しいね」「怖いね」

と見られちゃうから。



映画は、容赦なくイジメも殺害も憎しみの言葉も全部

映し出していた。


救いなんか必要ない。


だって、同じ人間たちが巻き起こしてる事件を

直視させる為に作ったんだから。


だから映画は、娯楽だけではダメで、

悲しいこと、恐ろしいことをしっかり描くものだって必要。


松たか子さんの復讐する教師に、恐怖を感じ無かったのは

悲しみに覆われ過ぎたひとりの人間だったから。