川口呉川　「源義家公圖」

　間もなく、男子の節句。
　この日の掛け軸は、武将図が
よく使われますね。

　それは、男子は、立派な武将のような
賢明な、強い人になるようにとの、親の

気持ちもあったのでしょう。

　私の家は、貧しい農家だったので、
言えには、紙の鯉が掛けてありました。

　この絵は、竹内栖鳳の門弟であった、
伊勢市出身の日本画家、川口呉川の

ものです。

　日本画によく描かれる、武将というのも、
なぜか、一定しています。

　源義家もその一人です。
私が言うまでもありませんが、平安時代を

代表する武将です。

　スタイルも、大体、このように一つの
パターンが多いです。

　あとは、自分の想いで、この人を
どう表すかです。

　川口呉川、晩年の昭和２１年の作と
記されています。

　制作年代が、記されている絵は、
多くはありません。

　しかし、絵を鑑賞するものにとっては、
とても大切なことなのです。

川口呉川 「源義家公圖」

川口呉川　「源義家公圖」