「スピカっ!」

「なんでこんなとこで寝てるの?」

「すっごく探したんだからね!」


そう言って私の顔を覗き込んでいるステラの少し怒った様な顔に、さっきまでのあの怖い体験は夢だったんだと安堵して、差し出された彼の手を掴もうとした瞬間目が覚めた。


そう、あの悪夢は夢じゃなかったんだ。


「よく眠れたかね?」

「腹が減っておるじゃろう、スープでも飲みなさい」

「ここは怖いところでは無い、今はゆっくり休むことじゃ」


そう言って差し出されたスープを、警戒しながらも少し口にした。


ホッとしたら、また涙が溢れ出てきた。


「もう、お空の上には帰れないの?」


そう聞くと、老人は困った顔をして、


「わしは天上界のことは分からんが、おそらくは迎えが来るか寿命が尽きるまでは彼方には帰れないじゃろうなぁ」


「人間は皆、天から母親のお腹を通じて降りてくるもんなんじゃが、お前さんの様に天から落ちて来るものは出会ったことが無いからなぁ」


そうだった、私も天使様から人間界のお話しを教わっていたんだった。


天使様は、人間は人間の世界でのお役目を全うすると、天国に帰ることが出来るって言ってたっけ。


「天使様が、人間はお役目を全うすれば天国に帰れるって言ってた!」

「私もここで役に立つことをすれば帰れるかも知れない!」


希望の光が見えて来て嬉しくなった私は、やや興奮気味に老人に詰め寄った。


「何か私に出来る事ない?」

「なんだってするから!お願い教えて!」


「お前さんの気持ちはよく分かったから、今はゆっくり休みなさい。」

「体の傷が癒えたら、わしの弟子にしてやろう」


そう言って老人はニッコリ微笑んだ。

老人は妖術を使う仙人だったのだ。


それから私の物語はまだまだ続くけど、続きはまた今度