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 時間を持て余しているので書類の整理をしました。

 我が家には書類がいっぱい入る棚があるので、これまで捨てるか迷ったらそこに放り込んでいたんだけど、さすがに30年分も溜まってるので整理しました。

 就職したばかりのころ、カイシャに出入りの複数の生命保険外交員に勧められるがままに訳も分からず加入しまくった生命保険の契約書。

 ケーブルテレビとか海外に行ったときに掛けた旅行保険の契約書。

 ハケンの勤怠票とか家の賃貸借契約書、更新契約書、演奏会のチラシなどなど。

 数日掛けてようやく一段落。

 そして、最近は『個人情報』うんたらに洗脳されているので、昔はそのままゴミ袋に入れてポイポイ捨ててたような書類も名前や住所などが書かれているものはシュレッダーにかけて細切れにしたりしました。

 紙類はこの前の紙ゴミの日に出し、シュレッダーにかけた紙ゴミは今日の燃えるゴミの日に出してようやく片付いた。

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 この『書類の山』を整理し、捨てるための選別をしていたときに気付いたんだけど、過去に相当な数の『損』をしていることが今更ながらに判明。

 その額、300万円を優に超える(400万円に近い)。

 結構な額。

 何かと言うと『無知による社会制度』の利用漏れ、だ。

 例えばさっきも書いたように昔、昔、給料のいいサラリーマンだったバブリーな時期にひろしは多額の生命保険に入っていた。

 その生命保険料の『所得控除』を申告していない。

 つまり、整理した書類の中に保険会社から送られてきた『控除証明書』が多数見つかったわけ。

 通常、『控除証明書』は会社員なら『年末調整』のときに会社に提出するからこんなものは残っていないはず。

 が、残っているということは『所得控除の申告をしていない』ということ。

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 そのほかにも『はがき一枚出せば』『免除扱いになる』ような社会制度も、まったく利用していなかった。

 これらが積もり積もって、きちんと計算したわけではないが、おそらく300万円を軽く超えるくらいの損をしていたことが判明。

 お金が絡む社会制度(例えば税金、年金、健康保険など)については学校ではまったく教えない。

 社会に出るといきなりそれらの支払に曝(さら)され、訳もわからず、有無を言わさず天引きされているが、きちんとした知識があれば(手続きをして)払わずに払ったことにできる制度を利用することができる。

 この『手続き』は国民の権利として保障されているわけだけど、知らないばかりに手続きせずに過ごしてきたわけだ。

 社会の闇ばかり知っていても『社会の表の部分』は意外に知らなかったりなのだ。


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 国の共済制度のコールセンターにいたときもそうだった。

 コールセンターの研修で制度についてトレーニングを受けて初めて『自営業者のためのこんなにいい制度があったなんて知らなかった』となった。

 ひろしは自営業だけの時期もあって、そのときはその制度を利用できて、しかも節税ができて資産運用もできたのに、知らなかったから利用できなかったのだ。

 『誰も教えてくれなかった・・・』と思っても後の祭り。

 普段から『どうすれば節約できるか』みたいなことを頻繁に考えている。

 が、その日常の『どうすれば節約できるか』なんて金額は微々たるモノだ。

 例えば、電車に乗るときに経路を変えることによって○○円節約できる! とばかりにその分、時間を掛けて移動したり。

 スーパーで買い物するときに『○○%割引』とか『○○日は○○%OFFの特売日』みたいなもの。

 こんなものはそれらを全部足しても微々たるモノ、年間1万円とか2万円程度の節約であって、節約できたに越したことはないが、30年で400万円にはならないわけ。

 社会制度を知っている方が、何よりも節約になるし、手元に資産形成ができたりするわけだ。

 『損したこと』に気付いても、もう後戻りはできないわけで(もう昔のことなので、今更、申告や申請できない)ゴミを出しながら、過ぎたことを悔やむのであった。