15歳の時
家出をした

あいかわらずの家と
初めての失恋から数ヶ月

どうでもよかった

頑張ってみても
立ち直ることが
できてなかった

どれくらいの間の家出だったのか
今でもわからない

中学生の弟の友達たちと連む18歳
一番仲の良かった友達の元カレ

DV男だって聞いていたし
年下と遊んでて
なんかあまり好きじゃなかった

ただ
家出するために
車持ちの彼を利用しただけ

あっちもそう
別に私が好きなんかじゃなかった
ただの遊びの延長みたいな
そこに私がいただけ

友達と4人で遊んで
そのまま家に帰らないことになった

朝なのか夜なのかどこなのか
わかってなかった
ただ何も考えずに
一日中シンナーを吸って

食べ物や飲み物は万引きした

公園で頭を洗ったり
コインランドリーで服を洗ったりした

好きでもない男なのに
仕方なく寝たりもした
ラリった頭の中で
忘れられない元カレのことが
こびりついてしかたなかった

自動販売機も壊して
アイスの冷蔵庫も壊して

友達の貯金も使わせた

その友達に私の元カレと寝たことを
その時に告白された

私が忘れられないことも
今もまだ好きでたまらないことも
知っていたのに

もう生きることも 
どうでもいいって
そう思うことに拍車がかかった
もうこのまま死ねたらいいのにって
思ってた

好きでもない男のDVが
はじまったその夜
騒がしさに通報されて

私達の家出は終わることになった

友達から
好きでもない男の
ひどい暴力を受けた話を
聞いていたから
その時こんなんだったんだなって
なぜか冷静にそう思った

私は殴られてどこかでぶつけて
手の甲が腫れ上がってた

DV男なんかいつも家で見てたから
逆らっても仕方ないことも
わかってた

私は道路の真ん中で
土下座をしてごめんなさいと
誤った
その直後にパトカーが来た

それからそのまま警察につれられて
私は鑑別所に入ることになる

警察署で別の部屋に入れられた
その好きでもない男は
私に向かって手を合わせて
ごめんってポーズをしたけど
私は無視した
それ以来その好きでもない男と
会うことも見かけることも
一度もなかった

その家出は
自分を含めたくさんの人に
悲しい思いも嫌な思いも辛い思いも
させてしまった

そう思うのは
そのことから
随分たってからのことだったけど

その痛みは今でもここにある

あの時あのまま
終わるんだって思った
私の人生は
今もまだ続いてる

そう簡単に
終わることなどできなくて

やり直さなければいけない現実は
時に残酷になり
忘れてしまいたい記憶を抱えて

生かされる今日を
生きなければいけない