先週の木曜日。
今年最後の授業の前、更衣室にいました。
何度も書きますが、会館の更衣室が日本語学校の教室です。
会館の奥のほうから笑い声が聞こえてきたので、そのまま、誘われるように、広間のほうへ。
行ってみると、カラオケクラブの皆さんが、これから練習を始めるところでした。
今年最後の練習だそう。
カラオケクラブは1世が1名の他は皆さん2世の高齢者の皆様。
ここでの共通語は「日本語」
日本から来た私も皆さんとお話しするのが好きです。
日本語で話せるという事もありますが、それ以上に「生き様」を聞かせてもらえるからです。
先日あった忘年会の話になり、子どもと一緒の合唱はよかったとか、盆踊りをしてもいいねとか、話に花が咲いていました。その中で「芸能祭(すすごいネーミング!)」という、協会の行事の話になりました。
歌、踊りをはじめ、芝居まで!演出から出演、大道具小道具作りにわたるまで、皆様の手でされていたそうです。
毎晩、仕事(農作業ですね)が終わってから、会館で猛練習されていたそうです。すごい!!
もちろん、色々なおもしろエピソードや伝説が残っていて、それを思い出して、大笑いしているお母さん達。涙まで流しておられました!その涙には昔を懐かしむ涙ともとれました。
そんなこんなで盛り上がりに盛り上がっていたところにYさん(2世男性。70代)が来られました。
奥様がカラオケをされていて、いつも送り迎えをされていて、
「奥から楽しそうな笑い声が聞こえてきたから、入ってきてみた。」
とおっしゃいました。
いつもは寡黙なYさんがぽつりと
「ここに来て、日本語を話すのはとても懐かしい。もう若い人は日本語が話せんようになってきよるから、日本語を話すところがないんよね。僕らは2世でちゃんとした日本語は話せんけど、日本語を話すと懐かしいね。先生が日本から来てくれて、ほんとにうれしい。」
とおっしゃいました。
その言葉を耳にした瞬間、涙が零れ落ちそうになりました。
無力な私にそんな風に言ってくださるなんて、ありがたいという感謝の気持ちを追いかけてどんどん切なさが募ってゆきました。
胸からこみ上げる何か。琴線にふれる何か。
「切ない・・・」
これが諸行無常ということなのか。
日本語を話せる人はどんどんいなくなる。
移りゆくことに歯どめはかけられない。自然の摂理は変えられない。
でも「日本語」を失うということは「ことば」を失うということはブラジルで育まれてきた日系社会、文化もいつかはなくなってしまうのか。
その軌跡は失われることもなく、文化がなくなるわけでもないが、大きな穴がぽっかり空いてしまう。空虚感。
今、変わりゆかんとする日系社会で日本語教育を通して、日本から来た1世である私ができることは何か。
と大きな問いを、大きな一石を心の泉に投じてくださったYさん。
心から感謝です。
一筋縄では、答えはでません。修行が足りない私では簡単には答えは出そうにありません。
一先ず、この夏休みにこの問いと真正面からじっくり向き合おうと思います。
11月の母の会の遠足。2世の皆様。心から目の前にある瞬間を楽しんでおられました。
日本から来た親御さんを支えてきた皆さんの殆どが畑仕事にコーヒー栽培に携わってこられました。
経験した苦労を苦労とも思わず、底抜けに明るいみなさま!
だから、強いし、且つしなやかだし、大らかだし、人としての魅力に溢れています!!
苦難を乗り越えた人こそ、本当の明るさや幸せをしっているのではないでせうか。
皆様との出会いに感謝です。
本気で楽しんでいるお母さん!笑い声がどこまででも青空に響き渡ります!
このお母さん達の口癖
「いつかは死ぬんやから、笑とったほうがまし!!(大笑)」
であります。
恐れ入りました!
