助産師歴12年、

年間2000件の子どもが生まれる現場に

立ち会い命の物語を見てきた助産師が、

妊娠出産を通して母になる覚悟、

母になる楽しさ、母子の健康を

継続的に関わりお伝えしています!

母としての豊かな価値観を持って

子育てができるよう導きます。

 

プロフィールはこちら

 

 

 

これまで12年間助産師として

出産の現場に立ってきたわたしが

いまだに涙を浮かべるほど

感動する場面がある。

 

 

 

それは、産まれた赤ちゃんを

胸に抱き上げるや否や

 

「可愛いーーー!!!」

と歓喜するママの姿を見たとき。

 

 

 

わたしの所属する病院施設では

年々無痛分娩の件数が増え続けているが、

 

 

こういう我が子を見るや否や

高い声を上げて歓喜する系

ママは無痛分娩ではあまり見ない。

 

 

せいぜい、「可愛い〜!」くらい。

 

 

 

 

エクスクラメーションマークが3個以上つくような

「可愛いーーーー!!!!!!」は、

無痛分娩での出産には、なかなかないのだ。

 

 

 

ママ個人のキャラクターによるとも言えるけれど、

実はこれは多分、脳科学的に説明できる。

 

 

 

出産に欠かせないのは

陣痛を起こすオキシトシンと言うホルモン。

 

 

このオキシトシンは別名、愛情ホルモンとも呼ばれ、

人と人の絆の形成に関与している。

 

 

一方、アドレナリンは恐怖を感じた時に

分泌されるストレスホルモンだが

アドレナリンはオキシトシンの分泌を邪魔する。

 

 

 

なのでそもそも陣痛に対して恐怖心や不安感、

ネガティブなイメージを強く持っているママは

アドレナリンが出やすく、痛みの限界値も

低くなりやすいという可能性がある。

 

 

 

そういうママこそが陣痛に対する

マイナスイメージと恐怖心によって

無痛分娩を希望するので、

そもそも前提に陣痛が弱まるリスクがある。

 

 

 

さらに、ほとんどの分娩施設は

医療体制の課題から計画無痛分娩を行う。

 

 

 

計画無痛分娩とは、

マンパワーの少ない夜間や休日を避け、

平日の日中に誘発日を設定し、

 

 

子宮の頚管を拡張する処置をした上で

陣痛促進剤を用いて陣痛を起こす。

 

 

 

本来、陣痛が起こるとき、脳下垂体からオキシトシンが

分泌すると同時に、βエンドルフィンという

ホルモンも分泌される。

 

 

βエンドルフィンは脳内麻薬であり、

痛みを和らげてくれるようになっている。

 

 

ちなみに草食動物が肉食動物に捕食される時、

このβエンドルフィンが出て多幸感の中にいるので

痛みは感じていないらしい。

自然って優しいよね。

 

 

 

一方、陣痛促進剤自体は化学式的には

オキシトシンと同じ化合物ではあるが、

 

 

促進剤のオキシトシンが働きかけるのは

子宮の平滑筋だけであり、

脳の下垂体には働きかけない。

 

 

 

ただただ、子宮筋の収縮を強めるという働きなので、

脳への神経伝達には関与しない。

 

 

 

「促進剤痛かった」と言うママが多いのは、

オキシトシンと同時に分泌されるβエンドルフィンの効果以上に

子宮筋収縮の痛みをダイレクトに感じやすいからだと

考えられる。

 

 

 

麻酔管理による無痛分娩は、陣痛にブレーキをかける。

そうなると、促進剤を使う頻度が高まる。

 

 

 

例えば赤ちゃんを産み出すのに必要な陣痛が10だとすれば、

麻酔によるブレーキで5になる場合がある。

 

 

すると出産に至るためには残りの5の力を

促進剤で補う必要が出てくる。

 

 

 

無痛分娩と促進剤は現場ではほぼ、セット販売と言える。

たまに使わない人もいるけど、

無痛分娩でも促進剤を使わないケースは

初産だと体力がありスタミナが切れにくい20代までか、

もしくは経産婦の印象がある。

 

 

 

一つの仮説としてここからさらに

わたしの独断と偏見で好き勝手に

個人的な考えを述べたい。

 

 

 

自然に10の陣痛がくる場合と

自前の陣痛が5で、残りの5を促進剤で補う場合では

 

 

出産を通して脳下垂体から分泌するオキシトシンの全体量が

異なるのではないかということである。

 

 

 

母親は出産で大量のオキシトシン分泌を経て

「女性脳」から「母親脳」へ移行していく。

 

 

 

このオキシトシンの分泌量の違いが

「可愛いーーーーー!!!!!」という

エクスクラメーションマークが満載の

「歓喜」に満ちているかどうかの

違いなのではないかと思うのだ。

 

 

 

 

当たり前に、言うまでもないことだが、

自然分娩でなければ子どもを可愛がらない

と言う意味では決して、ない。

 

 

 

そして自然分娩の時の出産でその壮絶さにトラウマを抱え

「お母さんの予備校」にやってくるお母さんは少なくないため、

自然分娩を無理に勧めたいわけでもない。

 

 

 

ただ、わたしは、この女性の

「可愛いーーーー!!!」の歓喜のために、

助産師が存在すると思っている。

 

 

 

この純粋な歓喜が無条件の愛になり得て、

虐待を遠ざけるとすら思っている。

 

 

 

核家族や働き盛りの夫の転勤と長時間労働など、

子育てが難しくなる社会の仕組みは多々あるけれど・・・

 

 

 

分娩方法はどうあれ、ただただ溢れる喜びの中で

出産できる女性を増やしたいと心から願っている。

 

 

 

 

 

 

 

助産師としての経験、考えを綴っています。

ブログフォローお待ちしています。

 

フォローしてね

 

 

 

ブログには書けない話はこちらでお伝えしています

LINEオープンチャット

↑ニックネームでご参加頂けます