こんにちは!

出産の不安を喜びに変える専門家

助産師 岩本さとみです。

 

今日も読んでくださりありがとうございます。

 

 

 

助産師歴11年、

年間1500件の子どもが生まれる現場に

立ち会い命の物語を見てきた助産師が、

妊娠出産を通して母になる覚悟、

母になる楽しさ、母子の健康を

継続的に関わりお伝えしています!

母としての豊かな価値観を持って

子育てができるよう導きます。

 

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会陰は、「えいん」と読みます。

 

 

 

膣と、肛門までの間に広がる

皮膚の部分のことです。

 

 

赤ちゃんの頭が出てくるとき、

膣の入り口が広がり、

こんな状態になります。

 

 

 

 

 

 

 

黄色く塗っているところが会陰です。

 

 

 

 

初めての出産の場合、陣痛が始まってから

赤ちゃんに出会えるまでに

平均12~15時間程度かかると言われますが

 

 

その内、最後の2~3時間くらいは、

陣痛に合わせて

 

 

 

狭〜い狭〜い膣の中を

赤ちゃんがゆっくりと降りて

 

 

出口まで近づいていきます。

 

 

 

 

赤ちゃんは頭の骨を

重ね合わせて、細長~くし、

 

 

大きなたんこぶを作りながら

どんどん下がってくる・・・

 

 

 

すると、少しずつ膣の入り口から

頭が見え隠れします。

 

 

 

この見え隠れする頭が、少しず~つ

出たり引っ込んだりしながら、

 

 

 

会陰の皮膚を広げてくれます。

 

 

 

 

ここをゆっくりとマッサージするように

通り抜けることで、

 

 

 

皮膚が少しずつ柔らかく、

伸びやすくなり

 

 

 

会陰の皮膚が破れにくく、

傷が最小限になります。

 

 

 

ですが、赤ちゃんが頭の骨を重ねながら

通り抜けてくるほど、狭い膣の中です。

 

 

 

赤ちゃんにとって、

とっても苦しい時間です。

 

 

 

さらに、陣痛によって

グイグイ押されますから、

 

 

 

赤ちゃんはストレスのあまり、

生命に関わるほどのしんどさ

感じることがあります。

 

 

 

そんなとき、早く出してあげるよ~

 

 

 

出口を広げてあげる処置が、

「会陰切開」です。

 

 

 

こんな風になっている会陰を

医療用のハサミで

こんな風に切ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

切るのは産科の先生がやるので

その先生の切り方の好みにもよるのですが、

 

 

 

画像の②と④の赤い線が

割とよく見る切り方です。

 

 

 

真下に切ると、もしも傷が

大きく延長してしまったとき

肛門にまで傷が広がる可能性があり、

 

 

 

そうなると排便にも影響があるため、

リスクを避け、斜め横に切ることが多いです。

 

 

 

切開を入れるときは通常、

歯医者さんで使う麻酔

局所的に痛みを取り除きます。

 

 

 

切開する痛みよりも、

陣痛や、赤ちゃんの頭が

お股に挟まっている方が痛くて、

気付かなかったと言う人が多いです。

 

 

 

いずれにせよ、赤ちゃんがしっかり

会陰を伸ばしてくれて

皮膚が薄くなっていれば、

それほど深い傷にはなりません。

 

 

 

 

ですが、いい陣痛が来なければ、

そもそも、ここまで赤ちゃんの頭が

皮膚を押し広げるところまで

下がってくることができません。

 

 

 

それに、お母さんの血行の状態によって

皮膚も硬くなりやすい場合、

出産に伴う傷が深くなることもあります。

 

 

 

赤ちゃんが生まれてくるときに

自然に会陰の皮膚が破れることを

会陰裂傷(れっしょう)といいますが、

 

 

 

 

経験的には、

自然に起こる会陰裂傷の傷の方が

浅いように感じます。

 

 

 

なぜならゆっくりと皮膚を伸ばした結果、

伸びきって薄い皮膚が多少、

ぴりっと破れるような、

傷が浅い場合が多いからです。

 

 

 

このときの傷の具合は、

助産師の技術にもよります。

 

 

 

助産師の技術というのは、

会陰を保護する手技の技術と、

 

 

産む人と赤ちゃんと、助産師が

一丸となり、

いかに、息を合わせられるかです。

 

 

 

切開した方が綺麗に治ると言う

お医者さんもいますが

正直なところ、

 

 

切開をした方が、傷の断面が

スパッと切れているため

 

後で、縫うのが楽なんですよね。

 

 

 

助産師としては、

後でお医者さんが縫いやすいから

先に切りたいだけやん、

とネチネチ思うこともあります。

 

 

 

「裂けるなら切開して欲しい」

と、バースプランに書く方がいますが

 

 

切開した方が、

傷が深い場合もあります。

 

 

 

いずれにせよ病院出産の感覚でいうと、

 

 

わざわざ書かんでも、

必要なときはしまっせ~

 

 

という、ライトな感じです。

 

 

 

それは、多くの場合、

会陰切開の傷は、

綺麗に治るからです。

 

 

 

綺麗に治る会陰の傷よりも、

命がけの赤ちゃんを優先します。

 

 

 

でも出産の途中、会陰切開を

する・しないで、

 

 

助産師と産科医師が静かに目線を合わせ

バチバチとやりあうこともあります。

 

 

 

お母さんのため、なるべく傷を作らずに

産ませてあげたい助産師

「切らんでも(赤ちゃんが)出るって!」

 

 

VS

 

 

少しでもリスクを回避し

さっさと産ませたい産科医

「ええから、はよ産ませて!」

 

 

 

切開をしたい産科医が、警戒する助産師に

切開を入れさせてもらえなかったときの

 

 

「ノーリス(傷がないこと)やろな?」

 

 

 

傷つくって縫わせんなよ、という

医者の

なかなかすごいですよ。

 

 

 

そんな風に、産婦さんの会陰を巡って

助産師と医者のプライドがぶつかる

ドラマがあったりするのですが・・・

 

 

 

助産師も産科医も、

お母さんと赤ちゃんの安全と健康を

願ってのことです。

 

 

 

次回はそんなあなたの会陰の守り方!

傷を最小限にする方法について

助産師の知恵をお伝えしていきますね。

 

 

 

 

 

 
写真:医学書院「分娩介助学」進純郎著より参照
 
 

助産師としての経験、考えを綴っています。

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