父の存在を感じながらの片付け | あるトランスジェンダーの人生

あるトランスジェンダーの人生

LGBTのトランスジェンダーのMtFです。一人の当事者として、性別適合手術の体験談を書き終えました。

私は埋没したかったMtFなので、正直カミングアウトが大嫌いでした。

 

それでも父が亡くなって色んな問題を解決しなければならないので、そうも言ってられませんでした。

 

夕方以降は亡き父のお店を清掃し、一週間以上店を開けていなかったので、ゴミや空き瓶がそのままだったので大変でした。

 

30日のお昼頃みビルオーナーさんと話し、基本的には原状復帰をさせなければならないということになりました。

 

当然だと思いつつも、物凄い量の備品や商品だったので、さすがに業者さんを手配するしかないと思える状況でした。

 

その日は結局、ゴミ捨てや明らかに汚れているところの清掃だけで手一杯でした。

 

心境的にしんどかったのは、亡き父の存在感を感じながら片付けをしたことです。

 

霊魂とか亡霊とかそういうのではなく、ひょっこり父がお店に顔を出すのではないかと緊張しながら作業していました。

 

MtFなので父との関係は良くなかったですが、それでも何とも言えない喪失感があり、打ちのめされたような心境でした。

 

その日は恋人も家やお店の片付けを手伝ってくれ、本当に助けられました。

 

長い一日がようやく終わり、恋人の家でようやく眠れました。

 

続きます。