昨日の続きです飛び出すハート

 




アメタンとの出会いは

ペットショップだった


 

アメリカンショートヘアの子猫



 

愛嬌のある顔で

一回で顔を覚えた

 



その子は

他の子より

一回り大きかった

 

 



他の子がどんどん

入れ替わっていく中

その子だけ残っていた

 

 



「売れ残りってやつ…

なのか、君は」

 



値段もどんどん下がっていった

 

 




しばらく悩んで

兄と母とお迎えに行った

 

 



箱に入ったまま

駅前で

ものすごい声量で鳴かれて

恥ずかしかったのを覚えている

 

 



「ちっちゃいのに声が大きいね

私と同じだね」

 

 



しばらく実家で暮らしたあと

私はアメタンと暮らしはじめた

 




初めての一人暮らし

アメタンと一緒なら寂しくなかった

 




寒い日に帰りが遅くなると

「にゃああん!!」

寒い!

と怒られた

 








旦那と出会い

3人で暮らすようになった

 






婚姻届を出しに行く朝

顔を洗おうとする私

洗面台からどかないアメタン

 

 





 

「これからも

ずっと一緒だよ

アメタンは私の

一番大事な嫁入り道具」

 

 






 

教員になる夢が叶い

私の単身赴任が決まった

 





「毎週帰ってくるからね」

 






ずいぶん寂しい思いをさせた

 





 

私ががんになり

やっと一緒に暮らせるようになったのに

 





私のところから

旅立とうとしていた

 





やめてくれよ

 






私たち

やっと一緒にいられるじゃないか







私とずっと一緒にいてくれよ

 






アメタン

 





お願い

 






私を置いて行かないで

 







アメタン