昨日の続きです飛び出すハート




もうやるしかないのだけど


わかってるけど


つらい






 

つらすぎる







モヤモヤした気持ちを抱えながら
病院からの帰り道









ヒュッ


 










強い風が私の脇をすり抜けて


前を歩いていた女性の髪が


風に舞い上がった





間延びした真冬の陽に


照らされて光り


それはそれは


美しかった








私の髪だって


私だって綺麗なのに

私はもう

 





この髪で


外を歩けない

 








秋はたくさんの

どんぐりを拾った木の下で

 




雪に這いつくばって泣いた




もう無理だ




私は立ち上がれない






この想いは

きっと

乗り越え

られない









後日









私「よく考えてみたんですけど

移植元になる皮膚、


鎖骨のあたりだと

服によっては傷が

目立ちそうなので


お腹とかに

してもらえませんか?」

 




🧑‍⚕️「大丈夫ですよ!
そこも良く伸びる皮膚なので

問題ないです!」

 




なるほど。





移植元の皮膚は

よく伸びるとか

そういう基準で決めるんだね。





移植元の皮膚は

移植先の形に合わせるため

かなり大きくマージンを取って

切り取ります



私の場合は

移植先が円形だったので

それを覆う

かなり大きめの皮膚が必要でした



移植元の皮膚は

切り取って

縫い閉じるだけ


そのため

よく伸びる必要があったのです








私「そういえば私

ウィッグ買ったんですよ」

 





🧑‍⚕️「そうですか!

どうでしたか?」

 





私「8,000円で

とても素敵なウィッグが買えました!
先生にもおすすめします!」

 





🧑‍⚕️「え…?」


(おもむろに髪を撫でる主治医)





皮膚も

髪も


無いなら

足すのだ!


今できる

最善を尽くし


前に進め!