本日、参議院外交防衛委員会で、今国会期間中で最後の質問に立った。
【予備自衛官の扱いについて】
一言でいうと、防衛省・自衛隊は予備自衛官に冷たい。
手当は37年間据え置かれ、装備・装具はボロボロ。
昼は専門学校に通い、夜にバイトする予備自衛官には進学支援金が出るが、昼にバイトをし、夜に大学に通う予備自衛官には進学支援金が出ない。これは現代のワークライフバランスや働き方の多様性に逆行している。
とくに、各種手当の受給開始時期。
常備自衛官は新しい各種手当を4月1日から受給しているのに対して、予備自衛官の受給開始時期は10月1日と半年も遅い。
やろうと思えば予備自衛官の招集訓練手当は常備自衛官と同じ時期(予備自衛官手当は法律改正事項なので航空管制官手当同様5月28日)にできたのに、である。
さらに悪いことに、防衛省・自衛隊側から予備自衛官の側に対して、何の説明もされていなかった。
この状況に対して予備自衛官の間からは、「防衛省に騙された」、「10月1日以降に訓練を受ければよかった」という声が挙がっている。
防衛大臣に今回の件の反省と対応についての考えを質問したが、人事教育局長から「常備自衛官を優先して予備自衛官を後回しにしたものではないが、不公平感を感じているのであれば申し訳ない。今後、関係省庁と連携して予備自衛官の処遇改善に努めたい」との返答があった。
これは防衛省側の怠慢であり、予算や法律審議で政治サイドにも何も説明がなかった問題でもある。10月1日まで待つ必要があるのはパブコメが必要な勤続報奨金のみで、他の手当は10月まで待つ必要はない。
委員会終了後に、今後の対応について事務次官と話をした。
【カナダにおける反日教育(歴史戦)について】
カナダのトロントにある中華系団体が設立した博物館が反日教育の拠点になっている問題について、これまで2回、外交防衛委員会で問題にしてきた。
岩屋外務大臣には、カナダの新しい外相に抗議を申し入れるべきとの進言もしてきた。
しかし、先日ようやく行われた新外相との電話会談において抗議は行われなかったことが今回の質問で明らかになった。
韓国の慰安婦像問題に関しては当時の外相だけではなく、総理まで動いて問題解決を図ったのに比べると、あまりにも熱量が無さすぎる。
そんなに中国に気を遣う必要はあるのか、何か不都合があるのか。
この間にも多くの高校生が当該博物館を訪れて反日教育を受けている。
この1年間、何も改善がみられない。
言ってみれば、日本外交の敗北である。
他方、アメリカではポンぺオ国務長官が先頭に立って自国内の孔子学院(中国のプロパガンダ機関)を約100校以上減らして10校程度にまで減らした。(日本の孔子学院は12校もあり、米国より多い)
日本とは外相のリーダーシップと問題に取り組む熱量が違い過ぎる。
韓国の慰安婦像問題、かつて天皇陛下を呼び捨てにして「戦争犯罪人」と言い放った李在明・新大統領への対応等、外務大臣が熱量を持ってリーダーシップを発揮すべき問題は山積している。
歴史戦への外務大臣の覚悟、取り組みについて何度も質したが、これまでの2回の委員会と同様に積極的な発言は終ぞ聞かれなかった。
まことに残念なことである。
歴史戦は政治のリーダーシップがなければ解決しない。
