橘外男の怪談
クソ暑いので、怪談の話を。
小説として書かれた怪談の中で、ズバ抜けて怖いのが橘外男の諸作だろうと思う。
実際に幽霊に出くわすとしたら、恐らくこういう形でなんだろうな、と思わせる強烈なリアリティーがある。
特に、「逗子物語」「蒲団」「棺前結婚」の三作品は、すばらしい傑作だ。
橘外男(たちばな・そとお)は知名度が低く、異端の作家として時々話題になる程度だが、直木賞も受賞している実力派だ。
軍人の子として生れながら、厳格な父親に反発して不良街道を突き進み、ある犯罪で塀の向こうへ行ってしまったという強烈な経験をしている。
出所後は改心して医療関係の仕事などに携わり、父に対する罪滅ぼしの意味で小説を書き始めたという。
怪談の他、人獣混交ものや自伝的作品など、様々なジャンルの作品を発表した。
本当に怖い怪談・リアルな怪談を読みたい方は、ぜひ上の三作品を。
私は「棺前結婚」が好きだが、タイトルが落語みたいで、なんとかならなかったのかと思う。
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