売れている本だ。

 

英語が小学生にも必修になった以上、議員としてもある程度押さえておきたい分野でもある。

 

建築や土木や不動産、農林業、福祉や子育て市民活動などに詳しい議員は鹿沼市議会にもいる。

 

せっかく24人もいるならば、こういう分野を自分が少しはかじっておくことに意義はあるだろう。

 

(石川さやか議員に先を越されてしまったが…)いつか一般質問で英語教育についても取り上げようと思っている。

 

そのためには自分も人に言うだけの英語力が問われるはず。

 

議員としての勉強の合間をみては密かに英語の勉強をしている。

 

自分の勉強法に何か有益なヒントが得られたらとの期待もある。

 

帯には「楽してではなく合理的に楽しみながら英語の達人になろう」とある。

 

しかし正直誰にでもおすすめの本ではなかった。

 

楽に読めて劇的な英語力の向上をもたらすメソッドが身につく本ではないからだ。

 

もちろん初中級者に対してのアドバイスがないわけではない。

 

まずは覚悟を促している。

 

『「わかりやすく教えれば、教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。』

 

『すぐ理解できて、斜めに読んで「わかってしまう」と、そのときにはどんな感銘を受けても記憶が定着せず、すぐ忘れてしまう。理解に努力を要するものほど、情報の処理は深くなり、忘れにくくなるのである』

 

YouTube等で色々な分野のことをわかりやすく解説する動画があり自分もかなり視聴している方だ。

それらを活用しての「学び」について一考を迫られる。

やっぱり読書なんだ。

 

じゃあ自分の子供には苦労して欲しくないから自然に英語を身につけてもらうには早いうちからの英語教育なんだ。

 

親心としては自然とそうなる。

 

幼児からの英語教育を否定はしていないが、いくら5歳で流暢な発音で聴き話せたとしても、『しょせん5歳児は5歳の知識の範囲でしか英語を使えない』し、そもそも知らない単語は聴き取れないし、一定の知識があれば最終的には聴けるようになるし、『ライティングが自由にできるようになれば、スピーキングは短期間の集中的な練習で上達する』という。

 

要はどうしたらいいのか。

 

『語彙がないのにリスニングやスピーキングに時間をたくさん使う前に、語彙を増やし、学習した単語を使ってたくさん作文する練習をするほうが、時間の有効利用であることは知っていてほしい』という点が、子供と言語の習得を専門とする著者からの初中級者向けの最も有益なアドバイスだ。

 

自分は読んで聴くというインプット学習には多少力を入れていたつもりだ。

 

今後は聴く以上にさらに読んで語彙を増やす訓練を心がけたい。

 

さらには英検でも英作文が課せられるのだからアウトプット(何より書く)学習も取り入れることにしよう。

 

『「楽に習得」と「楽しんで習得」は別』であり、『どの分野でも一流になった人は(中略)苦闘しつつも楽しみながら努力を重ねた結果そうなったはずである』というように、それは本書の肝といえる、「スキーマ」(氷山に例えるなら、海面に浮かんでいる氷よりも遥かに大きな海に沈んでいる部分、つまり経験によって身についた暗黙知のようなものだ)や「コーパス」(言語資料のデータベース・用例集)を駆使して、実際に著者が手間をかけつつも「楽しみながら」学んでいく過程が本書では紹介されている。

 

スキーマとコーパスの紹介は省略したい。

 

そこまで興味がある方はぜひ手に取って読む価値は絶対にある。

 

著者は慶應大学で教授職にあり、専攻は認知心理学、言語心理学、発達心理学で、その分野の著書多数。

 

英語が大好きでかなりのレベルを目指す人は読んで損のないベストセラー。

 

むしろ英語で論文を書く程度までを目指すマニア向けだ。

 

著者も自覚があるのか、全10章の全てを順番に読む必要がないと言っている点が良心的だ。

 

コラムで紹介されている、フィンランドの英語学習については鹿沼市においてもいかにこどもに限らず市民全体の英語力を高めるために有益な参考となり得る。

 

p.s.英検がなかなか受からないけれど「気長に楽しんでやろう」とあるので、市民の皆様から与えられた時間の使い方に責任を持ってバランスよくコツコツ学習していきたい(楽ではないけど)