2008年12月 おすすめ本ランキング


今月は自身がISL社会イノベーションセンターや
アジアリーダー塾などの活動に絡み始めたこともあり、
社会起業だとか、社会について考える本を今月は多く
読みました。


特に第一位の「3つの原理」第二位の「奇跡の経営」は、
モノの見方の視点を一般常識と大きく違った視点を
与えてくれる良書だと思いますので、おすすめします。


■第一位■
「3つの原理」ローレンス・トーブ ★★★★★


3つの原理―セックス・年齢・社会階層が未来を突き動かす
ローレンス・トーブ
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 4626
おすすめ度の平均: 3.5
5 いやぁ・・この本はヤバイ
1 中華思想を甘くみている本
5 過去の歴史の振り返りと将来の有効な一展望
5 かなり衝撃を受けた未来予測モデルです
3 読み手を選ぶ本

とんでもない本です。過去を3つの原理から分析し、
これからの世界の勢力地図のあり様を弾言しています。


その弾言の仕方が、よく言われるようにアメリカやEUが
どうなるというようなレベルのものではありません。
非常にぶっとんでしまっています。


地域のくくりとして、中国・韓国・日本をまとめて、
儒教世界と読んで、今後しばらく覇権を握るだとか、
アメリカとロシアを合せて一つの経済圏となることを
予測したり、最終的には21世紀後半からは、イスラエルを
中心とした世界が覇権をにぎり、宗教の時代に入ると
言い切っています。


イスラエルにアメリカから人が動いているというような
ことを書いている本は読んだことがありますが、
ここまで言い切っている本は類書がないのではないでしょうか。

今後の世界を読み解いていく上で一読の価値ありです。



■第二位■
「誰が世界を変えるのか」フランシス・ウェスリー★★★★★


誰が世界を変えるのか ソーシャルイノベーションはここから始まる
フランシス ウェスリー ブレンダ ツィンマーマン マイケル クイン パットン エリック ヤング
英治出版
売り上げランキング: 17446
おすすめ度の平均: 4.0
5 複雑系科学で社会変革のメカニズムに迫る
2 文章や表現が不親切
3 文学的で知的だが、学校の参考図書っぽくて、楽しい読書はできなかった。
5 読んだらスタート
5 次世代のマネジメントスタイル!

社会起業家の列伝です。最近ドラッガーの非営利組織の経営を
読んでいても思うのですが、社会企業や非営利組織の経営発想
に、今の営利企業は見習うべき部分が多いのではないかという
ことです。


社会貢献性うんぬんということではなく、非営利の
ボランティアや寄付金などを集めるのに、どういう戦略をとって
動いているのかという部分です。


本文の各種事例紹介も良いが、巻末の社会イノベーションのための
要諦集が出色です。これだけでも一見の価値ありです。
特に印象に残ったものを列挙します。


・社会イノベーションは、パターン認識とビックピクチャー
・権力について深く考察しよう
・結果目標だけでなく、情報目標を持とう


各項目について要諦集には、簡単な解説も入っています。


(参考関連書籍)

「非営利組織の経営」ドラッガー

ドラッカー名著集 4 非営利組織の経営
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 16526



■第三位■
「弱者の戦略」栢野克巳 ★★★★★


弱者の戦略―人生を逆転する「夢・戦略・感謝」の成功法則
栢野 克己
経済界
売り上げランキング: 882
おすすめ度の平均: 5.0
5 サラリーマンも読むべし
5 全力の生き方が伝わる
5 起業予定者が読むと元気付けられる!
5 経営人生計画書!
5 勇気づけられました。

九州で有名なランチェスター理論を駆使したコンサルタントの方です。
これはいわゆる自己啓発書という類になると思うのですが、類書との
比較して出色なのは、茅野さん自身の実績の赤裸々さ加減です。


人生計画を作ろう、行動計画を作ろう、自分の名刺を作ろう、という
標語を掲げた類書は一杯ある中で、非常に具体的で無理なくマネできる
範囲の事例なのです。


今までいろんな自己啓発書を読んだけど、なかなか実践できなかった。
年初に目標を立てようと思ったけどまだ作れていないなんていう方には、
こんな感じでいいんだというイメージを具体的に沸かせてくれる本だと
思います。


これを書いていてわかったんですが、「マネしやすい」んですね。
私の周りでも、本書の内容に限らず栢野さんの真似をしている人がいます。
出版記念講演に行ってきた時の様子もアップしていきたいと思います。



■第四位■
「みんなの意見は案外正しい」 ジェームズ・スロウィッキー ★★★★★


「みんなの意見」は案外正しい
ジェームズ・スロウィッキー 小高 尚子
角川書店
売り上げランキング: 9667
おすすめ度の平均: 4.0
5 「みんなの意見」を活かす条件
5 日本人こそ読むべき本
5 万人寄れば偉大な集合知
2 結局、何が言いたいの?
4 「みんなの意見」が、どうも納得できない人に

タイトルどおりに、多くの人の意見の平均値を取ることで、統計上ありえ
ないような正確な答えが導きだせるということの興味深い実例がいくつも
あげられていてまず興味が惹かれます。


そして、本論では、そうした集団意見が非常に正しく導き出せるための
条件を提示しています。その条件を担保できる状況下においては、
集団の意見の平均を取っていくことで非常に正確なデータを取ることが
できるようになると述べられています。


・多様性(対象に対して私的な情報があること)
・独立性(他者の考えに左右されない)
・分散性(身近に情報があること)
・集約性(まとめるメカニズムがあること)


個人のリーダーシップが良いのか、集団主義が良いのか、混迷の時代を
抜け出すには強いリーダーシップが必要だという意見も多くある中、
なかなか、強いリーダーシップを発揮するというのは、難しいものです。


そのような中、最近では、ファシリテーションやコーチング等によって、
個人や集団から引き出していく手法が広まってきていますが、特に集団での
会議や意思決定の場面で、間違いを起こさないようにするために、
本書の理論は是非、頭の中に入れておいた方が良い理論だと思います。



■第五位■
「奇跡の経営」リカルド・セムラー ★★★★★


奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
リカルド・セムラー
総合法令出版
売り上げランキング: 17064
おすすめ度の平均: 4.0
4 理解されないのならば、あまり売れないほうが良いかも
3 できたらいいなと思う。
5 なんだ!これは!!!
4 こうありたい
4 “奇跡”は偶然にあらず

著者のリカルド・セムラーはブラジルにて事業を行っています。

3000人という規模の会社グループにおいて、徹底的に指揮統制をしない
という会社の仕組みを確立し、世界的に注目を浴びている企業です。


その自由をとことん尊重された経営の仕組みが流動的な中できちんと
仕組み化が行われているところがすごいの一言です。


また、それ以外にも会議や福利厚生のあり方やその他、一般常識的には
二の足を踏んでしまいそうな取組みを理路整然と行われている様は、
自分達の組織のあり方を見直す際に一石を投じてくれる示唆を得られます。


・何度も同じテーマで一から話し合う。
・人を一人前の大人として扱うこと
・トレーニングを受けるか田舎は本来本人が決めるべき
・最長3年間、休職して自分の好きなことをして良い
・人生の旅路とは、写真のように思い出を語る記録と記憶であり、

 それらを振返ったとき、自分達がいかに自分に正直に生きてきたかで、

 幸せを感じるものだ。
・誠実であることは、最低限の守られるルール
・全面的な意見の一致が見られなければ放置。
・許可を得るより、やったあとに許しを請え。
・データより直観を信じて行動しろ。