眼瞼黄色腫とは、主に中年以降の方の上・下まぶたの鼻寄りの部分に出現する平たく盛り上がった黄白色調の腫瘍です。
真皮に脂質が溜まることで起こりますが、血液中の脂質の量は正常である場合も多く、詳しい原因は分かっていません。
症状は特にありませんが、徐々に大きくなるため受診される方が多いです。
治療としては、レーザー治療でやられる先生もいますが、黄色腫は意外と深い層にあり完全にとりきれず、その後きずの赤みも長期続くイメージがあるため、メスでの外科的切除をおすすめしています。
腫瘍ぎりぎりの大きさで切除します。その後は縫った傷がまぶたのシワの方向に沿うように注意しながら、丁寧に縫合します。
傷の部分も直後は少々赤みがありますが、時間とともに白くなり、最終的にはほとんど目立たなくなります。
下の写真は、両側上眼瞼黄色腫の症例です。
左は1回で完全切除可能と判断しましたが、右は腫瘍が大きく、切り取った後をそのまま縫ったのではまぶたの引きつれを起こす可能性が高いため、2回に分けて腫瘍を切除しました。
1回目は腫瘍の2/3を切除し、約半年して皮膚のゆるみがでてきた段階で全切除しました。
まぶたの形も不自然でなく、きずもきれいでとても喜んでくださいました
腫瘍の大きさはさまざまであり、どのように切除しようかと考えて治療するのも、形成外科医の経験が左右するところだと思っています