今日は、「日本人とのコミュニケーションについて」という題目のワークショップをやってきました。
9時半から6時半まで8時間、さすがに若干疲れています。
対象は香港、台湾、本土の中国人。
腹蔵ない話が聞けてよかったなと思う一方、この問題は根本的な価値観やアイデンティティにかかわる問題で根深いなとも思いました。こういう一朝一夕では変わるのが難しい問題は、個人レベルでこつこつ積み上げていくことなのかなと思います。
そのワークショップの中で使った言葉が、Perception is projection。
「人はあなたの鏡」というのに近いかも知れません。
誰かを「嫌い」だと思う時、ユング心理学によればそれは自己の「投影」(Projection)である、といいます。
「え!!そんなことはありえない。あいつのどこが私の中にあるというの?」という向きもあるかと思いますが、全然関係なければ気にもとまらない。強く「嫌いだ」と思う場合、それは「その人」が嫌いなのではなく、その人に「投影した自己」に対して反応しているというのユングの理論です。
また別の意味では、あなたがその人に対して思っていることがそのまま実現する、というものです。
つまり、「あいつは悪いやつ」と思えば相手の悪いところが目につく。子供について「できない子」と思えば「できない子」になる。 自己実現する予言のように自分の投影した考えが事実になるのです。
コーチがクライアントに向きあう時もそうで、「この人にはできない」とコーチが思えばそれがおそらくコーチングにも投影され、夢の実現は難しくなります。クライアントに無限の可能性があってすべてのリソースを自身の中に持っている、という前提でコーチは臨む必要があるのです。(もちろん、リアリティチェックはクライアントと一緒におこないます)
上記のような難しい問題も、それぞれが若干おめでたいくらいの考えをもって進んでいけばいつかはいい方向に向かうのではないかな、と疲れた頭で考える今日この頃です。