昨日、パパラギについて書いたところですが、タイムリーにも、もっともっとの消費社会について考えさせられる2つの記事が昨日の日経新聞で気になりました。


1つは嬉しい記事。EU売れ残り服の廃棄禁止。


2026年からですって。ファストファッションの大量生産大量廃棄を食い止める方策。こうなると、生産量もきっと見直されるだろうし、売れ残った場合の活用を考えたデザインに変わっていくんじゃないでしょうか。機能的だったり汎用性があったりって。そういう視点でデザインされる洋服。この規制によりファッションはどう変化するんだろう?なんて考えたらワクワクしちゃいました。


そう考えると日本の着物って究極の資源循環型プロダクト。お父さんの着物を縫い直して子ども2人分の着物が出来たり、最後は座布団や布団にまで姿を変えて、江戸時代はそれを燃やして灰を畑にまく。


そういう循環する機能性とファッション性を兼ね備えたデザインがいつかファッションの主流になる日が来るのでしょうか。


もう1つ気になった記事は、逆の方向で残念な記事。肥満症薬増産の話。数年前にとても効果的な肥満の薬が出できたの、ご存知ですか?機能としては食欲を無くす。記事には、昨今肥満症が増えていて、薬の需要が増えて生産が追いつかなくなって生産ラインを増やした、という話。


必要以上に食料生産し、それを食べて、食べて、食べて、太って、太って、それを治すために薬をもっともっと作る。なんというくだらない循環でしょう?100年前のサモア人に笑われるっつーの。


この薬の記事を読んで、あーあの時話題に上がった薬はこれかな、と思い出したことがあります。


友人のカナダ人がとても痩せたのです。彼は全く肥満じゃなかったけど、体は全体的に大きく、そんな彼が急にスッキリ痩せたのです。聞く所によると、ある薬を1日1回注射しているって。肥満症向け薬だけど入手出来るんだ、と。去年の夏、我が家のBBQでそんな話をしており、友人のNZ人のお医者さんもいて、その薬の話で一通り盛り上がりました。別のカナダ人が、興味津々で、どこで入手したのか、など根掘り葉掘り聞く。そんな彼は彼で、この数ヶ月前にタイに行ってファスティング寺で10日間過ごした話をしてました。


そんな話を聞きながら、うちの夫は呆れ顔で、ねー君たち、何を馬鹿げたこと言ってるんだい?薬買ったり、何十万もかけて、ご飯を食べないためにタイ行ったり。。。。ダイエットにものすごく効果的な方法教えてあげるよ。もっと野菜を食べて、もっと運動する。以上。


って言い切ってましたが、本当にその通りなんですよね。でもそれが出来ないのが人間の弱さ。そしてそんな人間の弱さが新たな生産と消費を促す。


大量生産、大量消費、大量廃棄を無くす動きは出始めている。それはとても素晴らしいこと。でも加速している大量生産、大量消費、大量廃棄の勢いは、そう簡単には止まらない。


昨日の日経のこの2つの記事を読みながら、どちらの流れが最終的に勝つのだろう?だなんて考えておりました。欧州連合の規制、きっと抜け道はあるでしょう。でも各企業は抜け道を探すのではなく、真摯に取り組んで、新しいサステナブルなファッション業界を作ってくれたらいいな、ってナイーブかもしれないけど、本気で思います。


自然な状態であることが何よりもおしゃれだし、何よりも無理がないんですけどねー。なぜそれがこんなにも人間社会では難しいのでしょう?