先日のブログで、車保有せず、薪ストーブで暖を取り、ニワトリを飼ってゆくゆくは家庭の卵オフグリッドを図ろうとしているウメさんのエコライフを意気揚々と語りましたけどね、おこがましいって話です。そもそも卵オフグリッドって使い方もおかしいし。笑

 

世の中のエコなんちゃらってついた商品名掲げているもの、その名称考えた担当者、みんなおこがましいですよ。エコノミーのエコなんだったら、まー目をつぶりますけど。(何で上から目線?っていう)

 

エコバッグとかさ、マイカップマイボトル、EV乗るとかさ、多分1ミリも環境保全とCO2削減に貢献していないと思います。海外で買った、例えばTrader Joe'sのエコバッグとか嬉しそうに持っている人は自分がCO2排出加減を誇示していることに恥を知った方がいいですよ。環境に優しいリサイクル素材を使ったなんちゃらをハワイ土産にたくさん買ったよー。日本と違ってハワイはエコ商品が充実してるんだよーん。なんてSNSでシェアする人、自分がMAGAを掲げるトランプ支持者層(白人、男性、非大卒、50kドルの年間収入)よりもCO2排出してるってことに罪の意識感じて引きこもった方がいいですよ。彼らはデカい古い燃費悪い車に乗り回し、銃も保持している人が多いでしょうが、海外旅行行ったり、輸入食材とかワインとか買ったりしないでしょうし。

 

自分のことを棚に上げて、過激になりすぎました。すみません。

 

ペットボトル買わないようにしたり、ゴミ減らす心構えはもちろん大事ですよね。やらないに越したことはない。でも物事もう少し大局的に眺めて、その影響の小ささというか、影響の無さ、もしくはむしろ悪影響かもって具合を認識し、一方で深刻さの本質や本来取られるべきことを理解しようとする姿勢って大事だなーって、今私自身がしみじみと思っているいることなんです。この本読んでね。いや、漫画か。フランス語ではBD(べーデー)と言います。

 
たった一冊漫画の本読んだからって何をえらそうに。ですよねー?笑。でもね、本当にいい本だから皆さんにも読んでほしいなー。
 
これは、ジャンマルクジャンコヴィッチという、環境学者の話をクリストフ・ブランというBD作家がBDにまとめたものです。ジャンマルクはフランス政府に対してCO2発生量と吸収量の方程式も作った人で、うちの夫はかねがね彼のYoutubeをよく見ていました。夫が、BDが出ていて日本語版もあるみたいだから読んだほうがいい、そして難しいかもだけど娘とも一緒に読んで、ってことで購入しました。
 
ジャンマルクのすごいところは、難しい話を非常にシンプルに、かつイメージしやすい具体的な身近な例を用いて説明してくれること。エネルギーって何か?使われるエネルギーの大きさって人間の努力に換算したらこんな感じ、とか。
 
 
そしてね、先ほどの環境に良いリサイクル素材、とかに話を戻しますけどね、どうも我々、プラごみ出さない、とかリサイクルのことばかりに環境問題の解を見出そうとしますけど、いや、そっちも問題ですけど、CO2の発生って物の製造過程と人と物の輸送が圧倒的です。ウミガメの鼻に刺さったプラスチックストローの映像にみんな影響されすぎ。ストローだけが悪じゃないでしょうに。
 
インスタで#マイストローで出てきた画像はみんなこんな感じ。。。。Seriously?ってなるでしょ?
 
 
 
私ね、EVって好きなんです。本当に運転しやすいし、静かだし、ガソリンスタンド行かなくていいとか、最高です。遠出は少しきついけど。でもね、製造過程に出るCO2って今のところはガソリン車より多いってどこかで見たことがあるし、充電する電力がどう作られているかによっては、またそれはそれでCO2をより多く発生させているし。バッテリーの原材料が採れる国も限られているし。
 
これ、今朝の日経にあった図。コンゴのコバルト発掘にチャイルドレーバーが関わっているってのは有名な話で、一応EV乗っていた時に、自動車メーカーがその点について何て言ってるのかを調べると、うちのEVに使われるバッテリーはそのようなコバルトは使ってない、ってことみたいだけど、この構成比を見ると、本当に?って思っちゃう。コンゴ産が全てチャイルドレーバーに頼ってるわけではないでしょうが。
チャイルドレーバーとCO2の話はまた別なんですけどね。
 
さらにさらに再エネだって、今のところ再エネ増えた分が別の有カーボンなエネルギー源の減少に役立っているかというと、そうじゃなくて単なる上乗せなんだそうです。結局人類は今日よりも明日、ってもっともっともっともっとエネルギーを使ってるんですよね。そして再エネも効率悪いし、再エネは需給バランス取れないから結局大量のバッテリーが必要となりますしね。バッテリーは先ほどのレアメタルでもわかるように、一部の国で採掘されたローマテリアルが、大半は中国に渡り中国のバッテリーメーカーがバッテリー製造して各国にわたります。そして中国の工場で使うエネルギーは石炭由来のもの。つまりは一番CO2発生量が多い。

再エネっていいことだとみんな手放しで考えているけど、負の側面も結構あることが、この本では触れられている。
 
再エネが来たら原発にも触れないと。日本人は原発嫌いですよね。でもね、これも正しく知る必要がある。危ないで終わらせてはいけない。おそらく現在ある環境対策への解として、原発が一番効果的で現実的かつ不可欠な解だと思います。うーん、でもチェルノブイリは?福島は?
 
この本は知ってるようで知らない、原子力がエネルギーを発生させるかのしくみ、原発の構造、そしてチェルノブイリや福島で起こったことの本質、現在の最新の原発事情などもよくわかる。ジャンマルクのことを原発推進しすぎだと批判する人も多いようですけど、彼のロジカルでデータをもって示す原発の話は非常に説得力がある。そして原発にまつわる政治の話や人間の恐怖感情なんかもきちんと教えてくれている。
 
と、大局的に理解したところでどうすればいいの?先ほども書きましたが結局CO2発生させ地球温暖化を促進させているのは物の製造と人、物の移動。自分の消費行動がどこにつながっているか、自分の移動がどこにつながっているか、一度真剣に考えたいです。だからって急に消費は減らせない。申し訳無いけど海外行くこともやめられない。

だけど知ってるのと知らないのは違います。常に必要な消費行動なのか、必要な移動なのか、適した移動手段なのか、行かなきゃいけない海外なのかを意識したい。でね、夫に、結局人生の楽しみは全てCO2排出じゃんねー、って言ったら、森の中を散歩して本を読んでってこと以上に楽しいことはないんじゃない?と。

うん、そうかもしれない。

奇しくも、数日前の日経の春秋。内面の生活さえ豊かならば人は幸福でいられる。この記事で表されているような人物に羨ましさを感じました。人類みながこうなら地球温暖化はスローダウンすることでしょう。