前回書いた
一週間で覚えなければならないポルトガル語の歌詞。
それは
『Samba de uma nota só』
英語のタイトルは
『One note samba』
日本語では
『ワン・ノート・サンバ』 そのままやん…
直訳すれば「一つの音のサンバ」。
その名の通り、メロディーも出だしはずっと一音。
新しい音に移ったところで歌詞も
「別の音は元の音があるからこそ」と。
上から下まで音階を使うフレーズには
「すべてのスケール(音階)を使ってみたけど
何にもならなかった」。
そして元の一音に戻ると
「君のところへ戻るように、元の音にもどった」。
見事に歌詞とメロディーが連動しています。
これは、作詞作曲両方手がけるからこそできる遊び心
アントニオ・カルロス・ジョビンと、
幼なじみでもあるニュウトン・メンドンサの共作とされています。
ちなみに、この二人のコンビでよく知られたもう一曲
『Desafinado』も、遊び心溢れた歌ですね~
こういう曲は歌っていて気持ちがいい~
楽器奏者には奏でられない、
言葉がある歌ならではの魅力ですから
ちょっと優越感を持てるのでした(笑)
おまけに英語の訳詞もジョビン作。
なので、メロディーとの連動も、
内容もほとんど一緒。
それどころか
ポルトガル語 Outras notes vão entrar
英語 Other notes are bound to follow
同じ音に当てはまるvão と bound、
厳密に言えば発音は違いますが、
音が似てる…偶然??じゃない気がします。
そして
他のジョビン作の英語詞にもよくあるのですが
consequence(結果、成果)、unavoidable(避けられない)
などの、一般の英語の歌ではあまり出会わない
音節の多い単語が、当たり前のように使われます。
これはポルトガル語の
consequência、inevitável を、
そのまま英語に置き換えたからでしょう。
ジョビンは、いい加減な英語の訳詞を嫌って
自ら訳すようになったといいます。
ホントに、訳詞って難しいとは思いますが
ヒットのタイミングを逃さぬためか、
ひどいのも多いから…
日本語訳もそうですけどね。
だからこそ各国の歌詞を比べると
面白いとも言えます。
ところで、この『ワン・ノート・サンバ』のような
メロディーと歌詞が連動する歌作りを得意としたのは、
ジャズの世界ではコール・ポーターではないでしょうか。
彼も作詞作曲両方手がけ、シャレが大好きな人でした。
彼についてはまたいつか。。。
そんなウンチクより
覚えなきゃぁぁぁぁ~