新聞を眺めていたら

凄惨なニュースの片隅に

小さな悲しいニュースが載っていました。

 

7月24日にマーニ・ニクソンさんが亡くなりました。

86才とのこと。

どなた?と思った方もおられましょうが、

実は日本でも彼女の美声は、よく知られています。

 

例えばこれ。

この「シャ~~ル・ウィ~・ダンス…」の歌声。

 

そしてこれ。

「マイ・フェア・レディ」のヘプバーンの歌声。

 

そのほか「ウエストサイド物語」のナタリー・ウッドの歌声…

などなど、これらの大ヒットミュージカル映画の、

歌の吹き替えをしています。

 

発音訓練が劇中に出てくる

「マイ・フェア・レディ」のコックニー訛りはもちろん、

「ウエストサイド物語」のプエルトリコ訛りなども

ちゃんと歌い分けているのですよ!

 

吹き替えはもちろん内密の話で

彼女の名前は公表されず。

でも、デボラー・カーが吹き替えを認めたとか、

自分の歌を替えられたナタリー・ウッドが怒ったとか…。

ヘプバーンが「マイ・フェア・レディ」でアカデミー賞を取れなかったのは

歌が吹き替えだったせい、というのが今では定説になっています。

 

 

そんな裏方だった彼女が、晴れて女優マーニ・ニクソンとして出演した

ミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」。

この尼さんの中にいます。

声でわかるかな?

 

ベル歌い始めて二人目

 

She waltzes on her way to Mass and whistles on the stair

 

の部分を歌っています。

ほんのワン・フレーズですが、親しみやすく、説得力ある歌声だと思いませんか?

気のせいでしょうか…(笑)

映画のラストには、ナチスを足止めするために

一働きする、シスター・ソフィア役でした。

 

 

ミュージカル黄金期の、美しいけれど音域の広い難曲を

情感豊かに、そして軽やかに歌い上げた、名歌手でした。