久しぶりに本の話。
えー。
3月から読んでいるアンナ・カレーニナ、
横槍入りまくりで、まだ読み終わっていないのですが、
諦めずに読み続けてはおります、はい。
で、横槍の一つですが、久しぶりに良質な短編を読みました。
![]() | 異国の出来事 (ウィリアム・トレヴァー・コレクション) 2,592円 Amazon |
アイルランド出身の作家ウィリアム・トレヴァー。
「異国の出来事」ということで、彼の作品から旅をテーマに集めた短編集。
イタリア、スイス、南仏など、旅先の何気ない出会いの場面から
小さな違和感が生まれ、やがてヒヤッとするような心の闇が描き出されます。
その流れが見事!
人生ってなんて難しいんだろう、と思ってしまいます。
でも描かれているのは、そんな闇に苦しむ善人たち。
なので、読後感は悪くありません。
中でも、アイルランドが舞台の「娘ふたり」は、さすがに描写が細やか。
アイルランドの抱える問題も、魅力も、空気も、さりげなく教えてくれます。
ちなみに「異国の出来事」といえば…
そう、トム・ウェイツ!
![]() | 異国の出来事 2,462円 Amazon |
訳者あとがきに、この短編集のタイトルはトム・ウェイツの曲からとったこと、
12篇の小説を、LPレコードのA面・B面を意識して並べたことなど、書かれていて
そんな点も私的にはツボにハマりまくりでした。
ところで、この本、どうして読むことになったのか…
図書館から「予約中の本の準備が整いました」の連絡が来て借りてきたのですが、
「ええと?何の本だっけ?」ってな感じで
いつポチッと予約したのか、覚えていない…
何はともあれ、いい本に巡り合えてよかったです。