7月8日・9日開催の、木祖村薮原地区の薮原神社例大祭に、調査を兼ねて参加してきた。早いもので、今年で4回目の参加・見学になる。今回は初めて、学生2人が御輿を担ぐ当日会員として参加。
薮原のみなさんには調査やシンポジウムで何度もお世話になりながら、日頃の無沙汰をせめてお祭りに参加させてもらうことで埋め合わせをしている、と言ってしまうと下手な言い訳に過ぎないのだが。このあたりの事情は勘弁してもらうこととして……
日本全国、数え切れないほどの祭がある中で、この薮原祭は途絶えないで欲しいものの一つであることは間違いない。この祭にかける人々のエネルギー、数百年にわたる伝統。獅子舞の様式、お囃子の音色、地区全体を巻き込んだ無礼講。どれをとってもこの祭の姿に魅了される。
8日の夕方から祭礼は始まり(宵祭)、奉納舞が3目演じられる。この「静」から一転して、翌日9日の本祭は勇壮・美麗な獅子舞の「動」に変わる。雄獅子(上獅子)と雌獅子(下獅子)を乗せた2台の屋台(山車)、そして御輿が、1㎞もない薮原のメイン・ストリートを十数時間ほどかけて1往復する。軒ごとに獅子舞を演じるのと、それぞれのお宅で、祭礼関係者には必ず酒が振る舞われるので、これだけの時間がかかってしまう。
屋台の上で舞われる獅子舞は、獅子頭だけが踊る。屋台を被う幕の内側では、若い衆が交代で、獅子頭を両腕でがっちりと持ち抱え、左右に、上下に、そして大きく回転させて1分ほどの舞を演じる。相当な運動量である。雄獅子の舞は勇壮豪快、雌獅子の舞は何となく穏やかさを漂わせている。
[雌獅子/撮影・佐藤研]
[雌獅子の屋台を後ろから/撮影・佐藤研]