子どもの塾選びは、本当に難しく、親に課せられた重要な問題です。どこにするか、いつ入れるのかは悩ましいところでしょう。

 

うちの場合は子どもが3人いるので、それぞれ違う歩みを試してみました。4月から東大進学トップ10の学校に入る長男くんは「小1からサピックス」です。

 



長男くんのケースは、

・ 小1からサピックス

・ 小3、4はトーマス

・ 小5は早稲アカ

・ 小6は早稲アカ+家庭教師

・ 中1からはサピックス+家庭教師

でした。

 

サピックスというと、中学受験に強い塾というイメージですよね。最近は小3から入室する子が多いそうですが、長男くんが小1で入室した時、他に同じ学年の生徒がいなかったのでマンツーマン状態になりました。

 

「やった!先生と2人で勉強できる」と喜んでいた長男くん。でも、もともと多人数授業を前提としている塾なので、進度は速く、個別塾のような教え方でもありません。小1ということもあり、さすがに終了時は疲れた表情も隠せず、、、

 

「うーん、どうしたものか」。率直に言えば、それほど成績も学習意欲も上がらず、1年くらい経った時に「なんか、合っていない気がする」と長男くんがボソッとつぶやきます。「やっぱり、無理があったのかな?」。スパッと1年くらいで辞めました。

 



もちろん、キャラによっては小1からのサピックスで伸びる子はいるでしょう。でも、サピックスは授業でやった毎回のテキストを自宅で復習し、次の授業に備えながらテストに備えていくという流れなので、宿題嫌いの長男くんにとっては単に向いていなかったことになります。

 

やっぱり、まだまだ遊びたい時期なんだよね。この時期に「受験に備えよう」と言ってもピンとこないだろうし。黙々と宿題を自宅でやる子にとっては小1からサピックスは「アリ」なんだろうけど、ちょっと早すぎた感があります。

 

で、どうしたかというと、1年くらい家庭学習で親が市販のテキストで教え、小3からトーマスで学びます。トーマスはマンツーマンなのでペースを合わせてくれる点は長男くんに向いていると思いました。

 






ただ、トーマスはプランによって大きく質が異なります。学生さんが講師の場合、どうしても質にバラツキがあるんです。たまに大学の授業や部活動で休む先生もいました。その点、ちょっと高いけども、やはりプロ講師は教え方も上手で、成績が上がることがわかります。

 

トーマスで良かったのは、プロ講師でしっかり基礎を学ぶことができた点です。それぞれのペースに合わせ、本人が焦ることなく目標に向かっていくことができました。ただ、ちょっと高いんですよね。

 

ただ、受験ということを考えると、一定レベルまでは鍛えることができるんだけど、「応用の応用」なんてレベルを期待するのは難しいです。トーマスはあくまでも徹底した基礎づくり。本格的な受験対策をにらめば、その基礎の上に応用力を鍛えていかなければなりません。

 

そこで高学年からは早稲アカに入ることにしました。サピックスに再び入っても良かったんだけど、一度辞めているだけに苦手意識があったら嫌だなと思ったからです。

 

でも、早稲アカは長男くんにとって正直あまり効果的ではなかったと思います。クラスによっても、校舎によっても違うのでしょうが、少なくとも長男くんには合いませんでした。

 

その理由は「できる子を前提にしたクラスに入ってしまったから」です。トーマスで基礎力をつけた長男くんは入塾テストで良い成績をたたき出します。「おー!」と親は期待したわけですが、高学年は本格的な受験態勢に入っているので宿題の量も多く、毎回のテストに苦しむことになりました。

 

成績の推移を眺めると、見事に右下に下降しているのがわかります。早稲アカもサピックスと同様、宿題を自分できちんとやる子でなければ厳しいんですよね。でも、宿題は自分でやる気にならないと意味がないので、親は長男くんの奮起をひたすら待つ忍耐力が求められます。

 

受験まで時間もあまりないし。さぁ、どうしよう。。。

ここは、もう親の出番であります。人気マンガ『2月の勝者』では、父親の「経済力」と母親の「狂気」が合格に必要であると表現されていますが、まさにその通り。本気で合格をもぎ取りに行くならば、両方を愛情を持って注がなければなりません。

 

1点突破、全面展開ーーー!

6年生になる頃からは、早稲アカの授業を補うために家庭教師を投入します。選んだのは、開成学園に中学で入り、一橋大学に合格した先生でした。やはり、この時期の家庭教師は中学受験で勝利をつかんだ人物が適任であると探していたのです。

 

この先生は、九州の公立小・中から高校受験で鹿児島ラ・サールに入り、東大法学部から官僚になった父親を持つ人でした。姉は桜蔭から東大法学部です。その背景まで調べ、「この家庭には何か合格メソッドがあるに違いない」と思って家庭教師をお願いすることにしました。

 

やはり開成や桜蔭の合格レベルを知っているので、「いつまでに何をやらなければいけないか」「今は何を集中的にやるべきか」が的確です。早稲アカの授業フォローもしながら、同時並行で志望校合格に向けたスケジュール管理もやってくれます。

 

長男くんとの相性も良く、先生になついている様子。なにより、開成学園に入った先生なので尊敬している点も良かったと思います。最初は週2日来てもらっていましたが、最終的に早稲アカがない日はすべて家庭教師をつけました。

 

実際、長男くんの成績は爆上がりしていきました。早稲アカでは最上位クラスに昇格し、授業で習ったものとは異なる解法でアプローチすることに講師からは「おとうさん、すごいことですよ。あの子がこんなことになるなんて」と驚かれました。

 

早稲アカもサピックスもそれぞれ系列の個別塾はありますが、やはりマンツーマンは家庭教師が良いと思います。できれば授業だけでなく、より親身になってくれる先生が良いです。

 

うちは、授業代を払って、映画や買い物に連れて行ってもらう日も設けました。やはり、高学年は遊びたいという気持ちもあるので、たまに憧れの先生とリラックスできる時間が必要だと思ったからです。

 

おかげで勉強に対する苦手意識だけでなく、宿題をきちんとやる子になりました。自信が漲っているというのは、この時の様子を見ればわかります。たしかに家庭教師の費用はかさみましたが、このカンフル剤がなければ長男くんは受験にことごとく失敗していたと思います。

 

結論としては、早稲アカやサピックスは応用力を鍛える最適最適であり、競争力も鍛えられる。トーマスは基礎力重視。その間の壁をどう乗り越えるかが重要であるということ。家庭教師で補いながら、早稲アカやサピックスで応用力をつけ、最上位クラスで第一志望を目指すというのが最も有効であると感じています。