子どもが産まれて、最初の「試練」にもなり得る幼稚園受験(お受験)の対策は、どこから手をつけて良いのかわからないですよね。最近は少子化の影響もあって、幼い頃からの受験戦争も過熱してきています。

 

うちの場合は、長男くんの「お受験」が結構大変でした。私が通っていた私立に合格させたいんだけど、そのノウハウを持っているはずの親がすでに他界。もちろん、お受験を経験した私自身の記憶はありません。

 

一体どうやって合格できたんだろう・・・。いくら考えても出てこないものは出てこない。。。仕方ないので片っ端から本を購入し、読んでいきます。でも、一般論が多くて参考になる本がなかなか見つからない。

 

やっぱり良いのは、「合格実績」がある子の親に聞くことだと思いました。塾に聞いても、どうせ都合の良いことしか言わないだろうなぁと思ったからです。

 

幸いにも、親戚に「お受験」で勝利をつかんだ親が何人かいました。家も比較的近いので、「どこの塾に通っていたの?」「家庭学習はどうしていたの?」「習い事は他になにをやっていたの?」などなど、関係悪化を恐れず質問攻めをします。

 

そこで得られた情報をもとに塾に資料請求し、実際に見学や体験授業を経験しました。百聞は一見にしかず、というわけです。

 

別稿にも書きましたが、お受験の塾選びは「合格実績がある」「内部情報に詳しい」「子どもにあった指導方法である」などがとても重要です。

 

気がついたのは、大手の場合はたしかに母数が多いので合格実績という意味ではあるかもしれませんが、もっと言えば大切なのは「勝率」でしょう。少数精鋭でも合格実績があるのであれば、そちらの方が「勝率は高い」ということが言えます。

 

最初に触れましたが、どうやって対策をとって良いのかわからなかったので、最初は大手塾を選択しました。やっぱり合格実績がある、という点に重きを置いてしまったんです。

 

教室には30人くらいの子が机に座り、メインの先生が前に立って、後ろには評価する役のもう1人の先生が教室にいました。

 

・ 先生の質問に「はい!」といって手を上げているか

・ 足をブラブラ、周りをキョロキョロしていないか

・ 工作や絵を描くことに集中しているか

・ プリントはきちんとできているか

 

などを毎回の授業でチェックしています。

 

でも、、、

うちの子は、それまでプリントを家庭でやってきた経験があまりなかったので花丸をもらうことがほとんどありません。他の子が花丸プリントをガラス越しの親に誇っているのに、うちは後方を振り向く回数は極端に少ない・・・

 

工作や絵を描くこともあまり得意ではありませんでした。元々、人見知りする子だったので「はい!」と元気よく手をあげることもためらっている様子。

 

そこで、自信を喪失させてしまうわけにもいかないので、その大手塾のマンツーマンを追加で申し込みました。全体の授業とは違い、先生と2人きりで工作や絵を描いたり、プリントを一枚一枚丁寧に解いていきます。

 

でも、全体授業に戻ると大手塾の場合は進度が速いので、どうしても追いつくことができませんでした。やっぱり緊張もあったのでしょう。

 

そこで、この大手塾は半年ほどで辞める決断を下します。次に選んだのは個別塾でした。マンツーマンではないけど、4,5人の子に先生2人がつく教室で、プリントや工作などをこなしていきます。

 

幸いにして、長男くんはこちらがピッタリでした。大手塾を経験していたので、少数の授業だと落ち着いているように見えます。ここは少数ながら合格実績がある塾でした。どうやって、この塾を知ったのかというと、志望校に通う親がたまたま知り合いにいたので、「どこで対策をしていたの?」と率直に聞いたんです。

 

最初は個別塾は不安でもありました。先生もプロというよりも、卒業生の親がやっている塾なので、ホントに大丈夫なのか心配で仕方ありません。でも、やっぱり子どもに合った塾でないと伸びないと思ったんです。

 

いくら学習プログラムが優れていたとしても、それをしっかり吸収できなければ意味がありません。個別塾は2~3時間をかけて工作や絵を描く日もあります。「おいおい、それだけで大丈夫なの?」と思うこともありましたが、何か1つのことを最初から最後まで仕上げることの重要さを学びました。

 

週に1日の授業でしたが、子どもは楽しい授業ならば嫌がることはありませんし、緊張している様子はまったくなくなりました。むしろ楽しんでいる感じを受けます。授業で習ったことを家で披露し、自慢する表情を見て「やっぱり、この塾の方が良かったんだ」と確信しました。

 

お受験や小学受験は、子どものメンタルが大切です。本人が楽しい、面白いと思わなければ基本的に伸びることはないと思っています。場合によってはチックのような問題を抱えることになります。

 

お受験で私が最重要であると思っているのは、「子どもが1人ぼっち(親と離れて)でも、1人遊びができるか」という点です。お受験の場合は、子どもが親と離されて別の教室に他の子どもと一緒に行き、親は別室で待機することがあります。

 

その時に子どもが「ママ~」と泣いてしまったり、落ち着かなくなったりしていたら合格することは難しいと思います。それは日頃からのトレーニングで解消できるはずなので、お受験が近づいてきたら、なるべく同じような環境をつくらなければなりません。

 

お受験当日、うちの子は別室で待機している私のもとに「最後から3番目」に帰ってきました。一番はやく帰ってきた子は泣いていました。2、3番目の子は興奮しちゃっているようでした。その次はトイレの問題を抱えていました。

 

合格した後、先生にうちの子はどうだったのか聞いたところ、「1人遊びの時間(自由時間)に積み木を車にして、めちゃめちゃ楽しそうに『ぶーん』とか言いながら遊んでいましたよ。絵の時間も太陽をイキイキとしていました」と笑っていました。たしかに、うちの子は家庭でも1人遊びが好きで、段ボール工作で車をつくることが大好き。絵も楽しそうに描いていました。

 

もちろん、どれが正解なのかはわかりません。それぞれのお子さんの特徴、学校に合っているか否かも重要でしょう。でも、親にできることはやはり「合格確率」を上げるしかないと思います。

 

子どもの将来のために親ができることは何か。子育てで悩むよりも、まずはチルドレンファーストで親が何でも行動をしていくことが重要であると思います。