子供1人に使うお金は生涯2,000万円と言われます。これは学費だけではなく、食費や日用品などを含むものですが、決して小さなものではありません。

 

もちろん、この金額は家庭によって変わってきますが、大きく影響するのは教育費です。どのタイミングから私立に行くのか、塾にどれだけ通わせるかで、全く違う数字になるのです。いったいどれくらい違ってくるのか見ていきましょう。

 

幼稚園から大学までの学費はいくら?

幼稚園から大学まで全て公立に行った場合と、全て私立に行った場合を比べると、約2.8倍の差があります。ただし、確実に公立に行けるのは中学校までで、受験の結果によっては高校・大学は私立に行かなければなりません。したがって、高校・大学は私立に行くと仮定した1,152万円は必要となる可能性が高いと考えたほうが良いでしょう。

 

学習塾に通った場合はいくら必要?

先に出したデータには塾代が含まれていますが、あくまでも平均値です。ここからは小学生はSAPIX(4年生から)、中学生は市進学院(中1から)、高校生は東進ハイスクール(高1から)に通った場合の学習塾費用の平均額との差額を見ていきたいと思います。

 

特に差が大きいのが小学生の学習塾費用で、SPIXに本気で通わせようと思うと150万円以上の追加費用が必要です。たとえば、小学校でしっかり学習塾に通わせて、中高一貫の私立中学に進学、高校3年生から大学受験のために東進ハイスクールに通うと、国公立大学に進学した場合でもトータル約1,460万円の教育費が必要です。子供が2人いたら約3,000万円ですし、大学受験のために入塾を早めたり、講座数を増やすとさらにお金がかかります。

 

なお、中学生から私立に通い、学習塾も9年間通い続けた場合の学習塾費用の学習費調査との差額は約370万円です。国公立大学に進学しても約1,600万円かかることになります。幼稚園から大学まで全て国公立で塾を平均値に抑えた場合の811万円と比較すると、約2倍違うことから、本格的な教育にはお金がかかるということがよくわかります。

 

英検取得者は年収が高い?英語塾に通う費用は?

例えば小学4年生から高校3年生までECCジュニアに通った場合、9年間で150万円以上の受講料がかかります。(2023年ECC学費案内|ECCジュニアより、小学生3年間はスーパーラーニングプラン、中学生は中学英語文法プラス、高校生はNew Master Planとした場合)

 

2016年に英語教育研究センターが出した「英語力とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の関係性調査結果」によると、英検1級取得者の平均収入は40代で約893万円、50代で1,146万円とのことです。国税庁が公表している「令和4年分民間給与実態統計調査」によると40代の平均給与は約620万円、50代は約690万円なので大きな差があることがわかります。

 

英検1級を取れば平均年収が上がるわけではありませんが、英語力が年収を挙げる一因であることは間違いないでしょう。

 

一流企業の中には一定以上のTOEICスコアを応募要件に課している会社も少なくありません。英語が話せることにより、外資系企業や海外とのやりとりが多い会社など、就職先が広がります。

 

最近話題のAIツールも、最初は英語版がリリースされることがほとんどであるため、いち早く導入するためには英語力が必要です。これからも英語力が必須な状況は続いていくでしょう。

 

英語力が上がれば年収が絶対に上がるというデータはありません。しかし、9年間で150万円くらいの教育費であれば取り戻せる可能性は十分ありそうです。

 

教育費はかけようと思えばいくらでもかけられる!

大学までの学費は全て国公立の場合で811万円、全て私立の場合で2,253万円と約2.8倍の開きがありますが、学習塾や英語塾に通うとそれ以上の費用の開きが出てきます。

 

小学校4年生から高3まで学習塾と英会話塾に通うと500万円の積み上げが必要です。中学校から私立に入り、私立大学に通った場合約1,900万円の教育費が必要で、場合によっては2,000万円を超えることも覚悟しておきましょう。子供が2人いれば4,000万円です。サラリーマンの生涯年収が約2億6,000万円と言われるので、15%を教育費として使うことになります。

 

教育費を聖域とするのではなく、どこかで妥協しバランスを取ることが必要かもしれません。