サトケンの吹奏楽指導法

ー吹奏楽部は「心の道場」ー

2020125

佐藤憲一

その60


「出逢いシリーズ」その4


オーケストラとの出会い


昭和454月弘前大学へ入学

前年度に誕生したばかりの弘前大学フィルハーモニー管弦楽団に入団 11月に第一回定期演奏会開催


これまで中高校時代吹奏楽オンリーの私だったが初めてオーケストラと出会う オーケストラの響きに心を奪われる 吹奏楽とは違う響き 管弦楽の響きだ


当時の指揮者 講師の安達弘潮先生は山形県出身で まだ若くてバイタリティに溢れていた 時々ファゴットやトロンボーンを演奏されていたことを覚えている 大学生の年齢と近いこともあって いつもオケ団員の輪に入っていた仕舞には安達先生の教官室がオケ仲間の集会場所と化した


何事も初めて創り出すことは大変なことだ


011ではない

(0たす11ではない)


大変な労力とエネルギーが必要である 弘大フィルもそうして誕生したものと思う


毎日教官室において将来のオケの姿を語ることは実に楽しいことであり 夢と希望に溢れた大学生活の始まりであった


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「サトケン日誌より」


前回記載した「ダメなものはダメと言える雰囲気作り」をもう少し詳しく述べてみたい


私見を交えて述べることをお許しください


往々にして 日本人は「ダメなものはダメと言えない」

正確に言うと 時代の変化とともに言えなくなってきたように思う


皆さんもよくご存知のとおり

会津の武士が14歳になった時の言葉であるが 什の掟―じゅうのおきての中に「ならぬものはならぬ」という言葉がある


世の中が変わり「ならぬものはならぬ」と言える大人や正義を貫き間違いや不正・悪い行いに対してものを申す人が少なくなってきたと思われる


女子テニス選手の大坂なおみ選手がマスクに黒人差別に抗議するメッセージを描くような反骨精神が見受けられなくなってしまった


こういう時いつも思い出す言葉がある マーチン・ルーサー・キング牧師の「I have a dream.」だ


翻って

我が吹部とて同様である

ましてや 高校生である

「見て見ぬふり」が横行してしまいがちである


これはよほど自分という人間がしっかりしていなければ つまり アイデンティティがしっかり確立していなければできないことだ


間違っていたら 間違っている

ダメなものはダメと言える人

言える雰囲気作りが大事である


誤解をしないために言いますが

間違いを言ってあげることで 相手が気づかなかったことを気づかせることであって 決して 相手を責めたりすることではない


この世に完璧な人間などいるはずもなく お互い様である お互いに注意し合って 助け合う互助の精神が大切であると思う


さあ まずは 我が吹部からだ


「間違っていたら 間違っていると言ってあげよう」

「ダメなものはダメと言える人

言える雰囲気」を作っていこう


また そういうリーダーを育てなければならない


ーつづくー