父が、80歳を過ぎた頃、免許返納の話を、そろそろしたほうがいいのではないのかなと、思い始めた。


けど、我が実家は、かなりの田舎で、最寄りの駅まで車で15分、バスは無し。

私が学生の頃は駅まで自転車で通ったが、大人はそんな距離、自転車なんて乗らない。

完全な車社会だ。


高校を卒業したら、たぶんほとんどの子が免許を取る。車もひとり1台が当たり前。田舎の家は敷地も広いから、車を停める場所も困らない。

実際、今現在、両親と姉夫婦と姪が住んでる実家には、車が4台ある。


母が大病を患ってしばらく入院した後、もうひとりで運転する自信がなくなったと、さすがに車を1台手放して、運転はもっぱら父ひとりが担当していた。


けど、もうそろそろ運転をやめれば、とはなかなか言い出せない。

何しろ車がないとどこにも行けない。何もできない。

日々の買い物も、銀行も病院も。


TVのニュースで、高齢者が起こした事故を目にするたびに、80歳過ぎてもハンドルを握る父のことが思い浮かんだ。

そろそろ話し合いをしなきゃなー、なんて漠然と思っていた頃、あの池袋暴走事故が起きた。