人類の文明史を紐解くルーヴル・アブダビ(後) | 晩酌かあさん ちょっくらドバイってまいります

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2016年より夫の赴任帯同で、2人の娘とアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで駐妻生活中。 ドバイの暮らしや観光についてブログに綴っております。なかなか晩酌できない国で奮闘中☆

前回の記事に続きまして、アブダビのサディヤット島にできた、ルーヴル・アブダビのレポートです。
約600の美術品が23のギャラリーに展示されているこの美術館、
従来のように「西洋美術」「東洋美術」「彫刻」「工芸」などとジャンルごとの展示室に分けるのではなく、
歴史を「人類初めての村ができた頃」「王国ができてきた頃」「帝国の時代」「文明の出会い
権威の象徴としてではなく、個人で美術を楽しむようになってきた頃」「グローバルの時代」...とざっくりぶった切って
その時期の様々な地域の、様々な美術品を並べて置いてあるのです。
おかげで飽きがこなくて面白い...!嬉
 
そして美術館って、本家ルーヴルでもメトロポリタンでも、
何かと「西洋美術が一番エライ」ような気がしてしまうのですが
ここではいろんな文化の美術品が、万遍なく並べられていて、
↓のような中東らしいイスラム美術も(ちなみにこの絵が私の一番のお気に入りです)
中国や日本からやってきた東洋美術も、
アフリカ大陸や南米のプリミティブな工芸品たちも、同じように扱われています。

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よって、ここの展示を一通りみると

文化に優劣はないということが実感できるのです。

公式HPにも、美術館のテーマが「See humanity in a new light」と書かれているのですが

まさにそれだな、と思う。

 

さて、前の記事に続いて、個人的に面白かったものを紹介していきます。

 

個人で愉しむ美術、のあたりから、日本のものが増えてきました。

日本はやはり「うち」の文化だからでしょうかね~。

そしてこの屏風、出島にポルトガルの交易船がやってきた場面を描いているのです。

信長が着ていたような、ポルトガル服の人々の姿が面白いえ゛!

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こちらのおじさんたちは、ムガル帝国の王様と息子。

ムガル帝国は、現在のインドを広く支配していたトルコ系イスラム王朝で、

王家はチンギス・ハンの血をひいています。

衣装が本当にいろいろ混ざった感じ、で面白い。

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こちらはフランス絵画に描かれた中国の人々。

和洋折衷ならぬ、中洋折衷で、これまた面白いです。

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美しいインド絵画に

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フルート奏者を描いた、ペルシャのタイル絵。

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比べてみると、西洋絵画もまた魅力的に見える気がします。

この絵のナポレオンはやっぱりイケメンですな~*はーと

帽子かぶってるから、髪の毛が少ないのわかりませんしねw

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バベルの塔の絵、というのも、美術館では初めて見ました~。

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ちなみに写真スポットになっていたのはこちら。
日本の鎧はやっぱりおどろおどろしさがありますね...。
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こちらは中国・宋の時代の器です。タイムレスな美しさ...もへ~

 

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これも、現代でもそのまま使えそうですね。

アラビア語がちょこんと縁に書いてあるのがおしゃれなこのお皿、

ペルシャのものだったかな...記録し忘れていました。

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一方イランの絵皿...ちょっと絵が下手じゃない~?w

ヘタなやつシリーズを探すのも、なかなか楽しいですwww

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美術品の中には、時々子どもの夏休みの作品みたいなのも

混じっているのではないかと思ってしまいますんにゃ?

 

ぼってり感がなんだか可愛い、南米の(インカ帝国だったかな...)花瓶。

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フクロウの花瓶は、現代にも通じる可愛さですが

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これはどんなお花を飾っても、ギャグにしか見えないような...。

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さて、近現代の展示室は、下の娘が飽きてしまってあまりじっくり見られなかったのですが...

写真や映像の紹介もされていて、特に中近東を旅行した写真家の作品は、興味深いものでした。

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近代の展示室では、トライバルなものへの憧れ、回帰についても紹介されています。
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ジャコメッティの彫刻と、コンゴの工芸品とが並べられている、というのも面白いですよね...!
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最後はやはり現代アートで締めくくられています。
フィリップ・ラムットというフランスのアーティストによる
マグリットの絵の実写版みたいな作品が、個人的に気になりました。
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いかにもアラブ人が好きそうな、キラキラのオブジェは
中国人のアーティストによる作品。
これもバベルの塔をモチーフにしているそうで、多様性とは何かを問いかけているのだそうです。
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もうひとつ印象的なのが、サウジアラビアのアーティストによる
『Food for Thought』というお鍋を並べた作品。
砂漠の民たちが、客人をもてなすために持ち歩く大鍋など、
様々な由来の鍋を並べてあるのだそうです。
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で、ひととおり展示室を見終わってテラスに出ると...
ここで初めて、ジャン・ヌーヴェルの設計による建物のすばらしさがわかるのですキラキラ
ドームに空いた穴から光が差し込む様子の、美しいこと...!
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もともと光を操るのが得意な建築家みたいなのですが、この空間はすごい...!
周りに広がる海の景色と、静かな海に響く小鳥の声と、
音も光もすべてが計算しつくされた作品の一部...みたいな気がしますおぉ!
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いくらでも、この空間でぼーっとしていられそう。
そこにいる人々もなんだか作品の一部のように見えてきて
パノラマで撮影したくなりました。
この建築を見るだけで、入館料の60AEDを払う十分な価値があるように思います顔文字
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そうそう、テラスに出たあとの、展示室とは別の棟内に
子ども美術館もあります。
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一般の展示室で紹介されていた内容を、子どもむけに体験展示にした、といった趣きです。
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壁に映し出されるお花が可愛かったのですが、
うちの6歳・3歳は、理解力の問題かセンスの問題か、あまり楽しめずでした汗
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はーこ@6歳は、一般展示室のモニター解説のほうが楽しんでいたかな...。
小さな展示品を、拡大して360度から観察できる、よくできた解説パネルです。
出土した場所を地図で表示してくれたり、子どもにもわかりやすくて素晴らしい!
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というわけで、ルーヴル・アブダビ、我が家はものすごく楽しめましたきらきら
また行きたいな~おぉ!