そうちゃんの最期は、とても悲しいのにとても温かくて、涙が出るのに笑顔にもなれて、とても不思議な穏やかな時間でした。
寂しくてたまらないはずなのに、思い出すのは嬉しかった思い出ばかりで、心の中はただただありがとうでいっぱいでした。
そうちゃんと過ごした8ヶ月と30日は、苦しいことや不安なことも沢山ありましたが、それを忘れてしまいそうになるくらいに沢山の幸せな時間を過ごしてきました。
そして、毎日そうちゃんと充分すぎるくらいに向き合うことができたのは、そんな環境を整えてくださった病院の皆さんや家族がいてくれたおかげでした。
沢山の支えのおかげで、私たち夫婦はそうちゃんに寄り添い続けることができ、一緒に一生懸命に生き抜いたと思うことができ、突然ではありましたが、後悔なく最期を見守ることができました。
そして当たり前の日常が当たり前ではなく、どれほどありがたくて幸せなことなのかということを、私たちはそうちゃんから日々教えてもらってきました。
大切な人がそばにいることが当たり前ではないこと、想いは伝えられるときにちゃんと伝えるべきだということ、近くにいればいるほど、なかなか簡単なようでできていなかったことがどれほど大切かということを、改めて考えさせてもらいました。
最後の最後まで、そうちゃんは私たちにかけがえのない大切なものを沢山残してくれました。
そうちゃんの父と母になれて、私たちは本当に幸せでした。
そうちゃんが旅立ったあと、主治医の2人の先生から説明があり、そうちゃんの最期は腸閉塞が原因だったと説明を受けました。
これまでずっと心配していた、呼吸器を付けていることによる感染症や肺炎ではなく、腸閉塞。
誰も想像していませんでした。
「力不足で本当に申し訳ない」
そう言いながらこれまでのことをゆっくりと振り返り始めたセンター長でしたが、突然話が止まり、私たちが不思議に思って顔を上げると、そこには言葉を詰まらせて涙を流しているセンター長がいました。
初めの頃はコミュニケーションの取り方をとても難しく感じていたセンター長でしたが、月日の流れと共に、私たちと同じようにそうちゃんを愛してくれるようになり、表現は不器用でしたが、一生懸命にそうちゃんと向き合ってきてくれました。
この時にはもう感謝しかありませんでした。
その後も、大好きなお風呂に入らせてもらえてさっぱりしたそうちゃんのところへは、お世話になった沢山の先生や看護師さん、心理士の先生や保育士さん、そして事務の方までが次々と部屋を訪ねてくださり、涙や笑顔を見せてくれながら最後まで沢山そうちゃんとお話をしてくださいました。
笑顔のまま旅立ったそうちゃんは、まるで皆の声かけに笑っているかのようで、とても幸せそうに見えました。
そうちゃんは幸せ者だね。
この日、何度そう思ったか分かりません。
そうちゃんにはこんなにも沢山の家族がいたんだなと思うと、ある意味、病気を持って生まれてきたそうちゃんだったからこそ感じられた幸せだったのかなと少し嬉しくもなりました。
最後のお見送りには、関わってくださった沢山の方々が、お忙しい中全員で玄関まで来てくださいました。
そこには異動してしまった以前の主治医の先生までもが駆けつけてくださっていました。
本当は笑顔で終わりたかったのですが、長い間一緒に頑張ってきてくれた方々の顔を見ていたら、どうしても涙を堪えることはできませんでした。
笑顔と涙で溢れた病院の皆さんとの最後のお別れは、とてもそうちゃんらしい温かなお別れとなりました。
私はそれまでずっと、退院できることを夢見ていましたが、でもきっと、そうちゃんは毎日こんなにも沢山の人たちに囲まれて、賑やかなこの病院で過ごすことができて、とっても幸せだっただろうなと心から思えました。
そうちゃんが旅立ったこの日は、とても綺麗な青空の広がる夏らしい日で、帰り道はそうちゃんを抱っこしながら、見慣れた景色を一緒にずっと眺めていました。
家に着く頃には陽も傾き、まるでそうちゃんが沢山頑張ってきたご褒美かのようにとっても綺麗な夕日が広がり、夜には綺麗な星空になり、ずっと見せてあげたかった色々な景色を、この日はそうちゃんに沢山見せてあげることができました。
夜には主人の両親もそうちゃんに会うことができ、それから3日間、私たち家族はそうちゃんのいるお家で、今にも起き出しそうな優しい顔をして眠るそうちゃんに、話しかけたり絵本を読んだり歌を歌ったり…そうちゃんが好きだったことを思い出しながら穏やかな時間を過ごしました。
そして最後のお別れのとき。
私たちはそうちゃんが大好きだった『さよならあんころもち』という歌を、主人とそうちゃんと3人で手を繋いで歌ってお別れをしました。
そうちゃんがお空へ旅立ったこの日、その地域ではちょうど有名な花火大会があり、夜になってもいつまでも賑やかな空を見ていたら、おかげで私たちも寂しくならずにすみました。
最後の最後まで私たちに沢山の笑顔をくれたそうちゃん。
そうちゃんが私たちに残してくれた沢山の宝物を私たちは一生忘れません。
この写真は、亡くなる前日にとてもご機嫌だった時に撮った最後の写真です。
皆が好きだったそうちゃんらしいびっくり顔が最後の一枚となりました
