そうちゃんの新しい女性の主治医の先生は、ちゃんと休んでるのかな…と時々心配になってしまうくらいにとても熱心な先生でした。

そうちゃんのことを知りたいと、毎日のように私たちのところへ来ては色々と質問してくださり、そうちゃんが好きなこと、心配なこと、これからのこと…とても忙しいはずなのに、いつもそれを感じさせない穏やかな表情で一生懸命に聞いてくれました。

これまでも、そしてきっとこれからも分からなくて難しいことが多いそうちゃんでしたが、「やれることから前向きに頑張っていきましょうね」と言葉をかけていただき、そんなシンプルな言葉が心に染み渡り、私はこれまでにない安心感を感じることができていました。

何かそうちゃんの状態が変わった訳ではないのに、一緒に頑張ってくれる先生がそばにいてくれるというだけで、これほどに心強く、前向きな気持ちになることができるのだと、自分でも驚くほどに心が軽くなっていくのが分かりました。

「そういえば今朝、採血したらそうちゃんにすごい泣かれてオナラ吹っかけられちゃって!痛いことしたから嫌われちゃったかな~」

私たちがいない間にあったそうちゃんとの出来事を嬉しそうに教えてくれる先生の無邪気さとどこか天然な雰囲気と、でもいざという時にはとても頼りになるサバサバとした格好良さのある先生の人柄を私はとても好きになっていました。

忙しい合間を見つけてそうちゃんの大好きなリハビリや保育士さんとの遊びにもよく顔を出してくださり、そうちゃんとのコミュニケーションを大切にしてくださっていたその先生のおかげか、センター長もなんだかまた少し雰囲気が変わり、そうちゃんの遊びになどにも興味を持ってくださるようになり、世間話をする機会ができたりと嬉しいことが増えていきました。


ただ、嬉しいことが増えていく一方で、発作的に起こるサチュレーションの低下は相変わらずの頻度で続いていたので、主治医のお2人が話し合ってくださり、急遽、呼吸器内科の先生に診てもらうのを待たずに、そうちゃんの挿管チューブの入れ替えを試してみることが決まりました。

いつも右向きで寝ているときにサチュレーションが下がっていたので、呼吸器の挿管チューブの位置が悪く、気管の壁に当たって換気できなくなっている可能性が高いと考えられ、チューブの位置を変えることでサチュレーション低下を防げるのではと、試してみることにしました。

結果は、残念ながら挿管チューブを入れ替えても大きく変わることはありませんでしたが、何もせずに見ていることしかできないよりは、何か試そうとしてくれる先生方の姿勢が私は嬉しく、きっといつか光が見えるときが来るはずと信じることができる大きな力になっていました。


そしてさらに数日経ったある日には、待ちに待った呼吸器内科の先生にファイバースコープで気管の中を診ていただけることにりました。

ところがこの時、ファイバースコープの画面に映し出されたものを見て私たちは驚きました。

そうちゃんの挿管チューブの先端にあたる気管の部分に肉芽というポコッと膨らんだものができてしまっていたのです。

肉芽とは、チューブの先端が当たるなどの刺激が続いたことで炎症などを起こして出来てしまう組織のことで、通常は人工呼吸器の挿管チューブは柔らかいのでできることはほとんどなく、気管切開手術をしているとできてしまうことが多いそうです。

そうちゃんはその肉芽ができてしまったので、肉芽で空気の通り道が少し狭くなってしまっていて、右向きにするとチューブの位置が少し動いて先端が肉芽で塞がれ、ほとんど空気が通らなくなっている可能性があり、それがサチュレーションの低下に繋がっているのかもしれないと先生は丁寧に教えてくださいました。

ステロイド治療をすれば肉芽自体は良くなるとのことでしたが、挿管チューブでできてしまったということは、肉芽ができやすいのかもしれず、これからのそうちゃんの課題になってくるだろうとのことでした。

それでも、治療ができるということに私は安心し、まずはそうちゃんが1日も早くラクになってくれることを心から願いました。


そしてちょうどこの頃、間もなくハーフバースデーを迎えるそうちゃんのために何かをしてあげたいと、保育士さんや看護師さんたちが色々と考えてくださり、記念に残るものをと『足型アート』というものを提案してくださいました。

その作成のために早速そうちゃんの足型をとり、最初は絵の具が冷たかったのか泣いて怒っていましたが、後半は諦めてサッカーボールで遊びながらされるがままになってくれました
照れ

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