2時間程の予定だった手術が終わったのは、そうちゃんを見送ってから約4時間後のことでした。

私は終わり次第連絡が入ることになっていた携帯を握りしめ、これまでドキドキしながら長時間の処置を待つという経験は何度もしてきましたが、この時ほど長く感じた4時間はありませんでした。

「手術が終わりましたのでNICUへ戻れますか」

かかってきた電話で知らされたのは、手術の終了だけでした。

無事に終わったのか、そうちゃんの様子はどうなのか、気になることが多すぎて私たちは自然と小走りになっていました。

NICUに到着すると、まだそうちゃんは戻ってきていなかったようで、私たちはそのまま面談室へと案内されました。

少しして、手術着のまま急いで来てくださった小児外科の先生から、術中のことやそうちゃんの状態についての説明がありました。

「元々予定していた気管切開と腸瘻の手術は無事終わりました。あちらの病院で手配していただいた柔らかいチューブを入れて、状態も安定しています。」

「ただ、腹壁ヘルニアですが、今回開腹して分かったのが、そうちゃんの腹腔内はとても狭くて、ヘルニアによって腸が出たり入ったりしている所を無理に閉じてしまうと、本人にとっては負担になる可能性が高いと判断したので、今回は治すのはやめました。手術は身体を大きくしてから時期を見て検討した方が良いと思います。」

「それから今まだ少し時間がかかってるのは、やっぱり点滴がなかなか難しくて…おそらくそろそろ戻れる頃かなとは思うんですが。あとは経過をしっかり見ていきますね。」

さすがの先生も、笑顔を見せながらも少しお疲れの様子で、私たちは心からお礼を伝えました。

無事に終わったんだ。
本当に本当に良かった。

腹壁ヘルニアはそのままでしたが、私たちはそうちゃんが本来の予定だった手術を終えて無事でいてくれているのなら、もうそれで十分でした。


しばらくして戻ってきたそうちゃんは、麻酔でぐっすりと眠っていましたが、顔色は良く、口から気管へ入っていた挿管チューブがとれてお口周りがスッキリとしていました。

お顔全体がよく見えるようになっていたそうちゃんは、なんだかとてもたくましく見えて、これまで以上に愛しさが込み上げてくるのを感じました。

そうちゃん本当によく頑張ったね。

私たちは長時間にわたる手術に携わってくださった全ての関係者の方々とそうちゃんに感謝の気持ちでいっぱいでした。


そうちゃんの様子を見ることができて安心できた私たちは、すでに22時を過ぎていたので、少し後ろ髪を引かれながらもその日は帰ることにしました。


翌朝、目が覚めてすぐに携帯を確認しましたが、病院からの着信はありませんでした。

あれから何もなかったんだ…よかった。

そんな日々がしばらく続きました。


術後2日目には鎮静の効き目が弱くなる度にそうちゃんは痛みで顔を歪めるようになり、その度に鎮静剤を追加しては眠り続ける状態が続きました。

そしてさらにその翌日には、鎮静状態が続く中、体内の炎症値(CRP)が8まで上がり、熱が出たりサチュレーションが下がったりということもありましたが、術後だったので、こういうこともあるのかなと私たちは比較的落ち着いて見守ることができていました。

丸3日間寝続けたそうちゃんでしたが、4日目からは鎮静剤の量を少しずつ下げながら様子を見ていくことになりました。

そしてちょうどその日、私たちは突然NICUの先生から、小児神経科の医師を紹介されることとなりました。


写真は手術から帰ってきた直後のそうちゃんです。
お顔がスッキリして、なんだか少したくましくお兄ちゃんになったように感じました
ニコニコ

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