翌朝、搾乳の時間に目が覚めると私はすぐに携帯を確認しました。
病院からの連絡はありませんでした。

そうちゃん頑張ってくれたんだ…。

まだ安心するには早いことは分かっていましたが、昨晩家に帰ってからも病院から着信がこないかとずっと不安に過ごしていたので、何もなかったことにひとまずホッとしていました。


しばらくして仕事へ行く準備を始めていた主人も、やはり落ち着かなかったようで、結局
家を出る直前になって上司に電話をかけ、この日もお休みをもらうことになりました。

そして私たちは、朝早くから病院へ向かいましたが、行くのが早すぎたようで、まだ採血の結果は出ていませんでした。


この日のそうちゃんは、見慣れない呼吸器と繋がれていて、その呼吸器はものすごく大きな音をたてながら動いていました。


しばらくすると、今日はセンター長ではなく若い方の主治医の先生が結果を伝えに来てくださいました。

「またほんの少しですがCRPが下がりました。」

「ただ、やはりまだ予断を許さない状態には変わりありません。二酸化炭素の値も高いので、呼吸器をもう少し馬力のあるものに変えました。設定はかなり高くなっていて、今はほとんど自発呼吸はない状態だと思います。」

ほぼ足踏み状態のそうちゃんでしたが、呼吸器を変えるほどに呼吸状態が悪いことを知ると、やはり私は不安で仕方がありませんでした。

でもその隣で、どんな時でも「よく頑張ったね」と自然と前向きな言葉が出てきて、優しくそうちゃんの頭を撫でている主人を見ていると、主人がいてくれて本当によかったと心から思えました。

ひとりだったらどれほど不安だったか。
この時の主人はとても心強い存在でした。


ずっと続いていた鼻からの出血も、減ってきてはいましたが、なかなか止まらなかったので、そうちゃんの鼻には止血剤を染み込ませたコットンのようなものが常に入れられていました。

様子も昨日と変わらずぼんやりとしていて、その表情はとても辛そうに見えました。


そして、不安そうに呼吸器を見つめる私たちに、看護師さんが丁寧にその設定の内容を教えてくださいました。

そうちゃんも呼吸器もブルブルと大きな音をたてて揺れていて、これは常に振動をさせることで肺への負担を一番少なくできるモードだと教えていただきましたが、これまで自発呼吸がしっかりあって酸素濃度を上げたことのなかったそうちゃんに酸素が常に入っている状態であることが分かるとやはりまた不安になってしまいました。

焦ってはダメだと分かっているのに、どうしても心配性な私は、気持ちが落ち着かなくてそわそわとするばかりでした。

ゆっくりでいいから、どうか良くなりますように…。
心の中で何度も何度も祈っていました。


そしてあっという間に夕方になり、昨日と同じように主人には先に帰ってもらい、私は夜までそうちゃんと一緒に過ごすことにしました。