タンポポにはタンポポの魅力が、薔薇には薔薇の魅力があると習ってきた。


でも、私は薔薇の刺を持ったタンポポで、日々、薔薇の刺を隠してはタンポポのふりをして、薔薇の刺を抜こうとひっかいたり、押しつぶしたりしてみたけれど、刺は刺々しさを増すばかりだった。


私は、何度も刺コンプレックスに襲われては悩み、悪い事の発端や根源は刺のせいに思ってしまう事もあった。

私は昨日、素敵なダンスの先生にあった『貴方みたいなタンポポなのに、薔薇の刺を持った人初めて見たわ。貴方はなんて素敵な個性なの!』

私は耳を疑った。私の刺が個性?

その瞬間、世界が薔薇色に見えた。全て、私なんか刺持ちタンポポだし。と思って、今の世の中、刺なしの薔薇が重宝される事も知っていたのに。

私は刺ありのタンポポだ。と初めて自信がついた気がする。

タンポポとして生きて、刺ももっと研かなくてはと。

父に母に生まれた事に、今の世界に生まれた事に感謝して。


刺のない人生なんて、人生じゃないわ。懲りない人生にしなきゃ。

今日も自分にアキラメナイスデイ。


ではでは又ねん。