札幌の皮膚科専門医/美容皮膚科 女医 日景聡子です。

 

 

札幌の暑さは、どうやら今日までのようです。

 

 

明日からは20℃を下回るみたいで…体が付いて行くか心配ですね。

 

 

(私は現在別な意味でステイホームなので、外の気温はあまり関係ないんですけど…^^;)

 

 

北海道以外ではまだ暑い日が続くでしょうし、今週までは札幌も暑さのために汗+マスクで顔の調子が悪くなった方が非常に多かったです。

 

 

「汗で痒くなった、赤くなった(あせも)」場合と「ニキビ」の場合が代表的です。

 

 

マスクで覆われている部分にニキビができるのはうなずけますが、マスクで覆われていない額にもニキビが増えるのはどうしてなんだろう…と思った方、いらっしゃいませんか?

 

 

その答えとなる論文を見つけたので、簡単にご紹介しますね。(以下、私の要約)

 

 

N95(微粒子用)マスクと医療用マスクを健常な20人に着けてもらい(日を改めて両方着ける)、肌の水分量、経表皮水分蒸散量(TEWL)、紅斑(肌の赤み)、pH、皮脂分泌量を調べています。

 

 

マスクを着ける前(ベースライン)、着けて2時間後、着けて4時間後、外して30分後、外して1時間後にデータを取っています。

 

 

マスクで覆われている場所と覆われていない場所でそれぞれ計測しています。

 

 

マスクで覆われた場所のデータは、マスクの種類によらず5項目とも上昇しました。

 

 

皮膚の温度・湿度・pHの変化と摩擦により、皮膚バリアが低下することが示唆されます。

 

 

皮脂分泌量は、マスクで覆われている部分も覆われていない部分も増加し、マスクを外した後もベースラインより高い値が続きました。

 

 

局所の温度が1℃上昇すると皮脂分泌が10%増加するという報告があります。

 

Hua W, Zuo Y, Wan R, Xiong L, Tang J, Zou L, Shu X, and Li L. 2020. "Short-term skin reactions following use of N95 respirators and medical masks." Contact Dermatitis 83, no. 2: 115-121. Accessed June 8, 2020. doi: 10.1111/cod.13601.

 

 

ということで、医療用マスクについての検討でしたが、通常のマスクでも同じようなことが起こっていると予想できます。

 

 

マスクで覆われていない部分の皮脂も増加するんですね。

 

 

額にもニキビが増える理由の1つだと考えられます。(もちろん、汗や前髪、整髪料の影響もありますが)

 

 

ちなみに、皮膚のpHが上昇する=アルカリ性に傾くと、皮膚の防御力が落ちて細菌が繁殖しやすくなるんです。

 

 

これは、顔だけでなくてデリケートゾーンも同じです。(オムツ皮膚炎や更年期以降のデリケートゾーンのお悩みにも共通します。)

 

 

皮膚のバリア機能を保てるよう、日々のスキンケアに気を付けていきましょうね^^

 

 

(ちなみに、皮脂の分泌を抑えるにはビタミンCを含むものを塗る、ビタミンB群を摂る、などが有効です。)

 

 

6月の放送でしたが、NHK札幌放送局の番組で解説した内容をもう一度掲載しておきます↓

 

 

 

最近別件で論文を書いており、たまたまこれを見つけたのでご紹介しました!

 

 

そうそう、肌荒れの時の日焼け止めやメイクはどうしたらいいか…については、こちらで解説しています^^

   

 

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