①からの続きです。


2019年5月17日の夜、主人が仕事終わりで病院に到着しました。
それまでは、私はいつも通りに病院に来て、いつも通りにエイトと一緒の時間を過ごしました。


エイトはあくまでもマイペース。
お腹いっぱいになって気持ちよさそうに口を開けてスヤスヤ。
そんな顔を見ていると、自然と心が穏やかになっていきました。
この子がいてくれればそれでいい、ただとにかくそう思いました。

小児科心臓班のトップのベテランの先生と、主治医の先生、主人と私の4人で会議室に入りました。
主治医の先生が、最初に主人と仕事の話をしたりして雑談をしてくれました。
少しでも心を落ち着かせようとしてくださることに感謝しました。

そして、雑談の後、染色体検査の結果のシートをベテランの先生より提示されました。
そこにはフルの13トリソミーであるという結果が表示されていました。
不思議なことに、そこで涙は出ませんでした。
前日に泣くだけ泣いて覚悟ができていたのかもしれません。
先生にすぐに質問しました。
「心臓の手術はしていただけるのですか?13トリソミーだと手術をしない病院もあると聞いているので。」と。
ベテランの先生は「予定通り21日に手術しましょう。エイトくんは目力も強いし最近は意思表示もするようになってきているように思います。とても強いと思いますよ。うちの病院では、またここまで小さい子に人工心肺を使った手術はしたことはありませんが、エイトくんならチャレンジできると思います。手術をして家に帰りましょう。そして13トリソミーの子達の目標になりましょう。一緒に頑張りましょう。」
と言ってくださったのです。
そして主治医の先生から、
「お父さんもお母さんも強いですね。エイトくんはお父さんとお母さんを選んで産まれてきたんですね。」と言っていただいた言葉が胸に響きました。
この時改めて、この病院でエイトを産んでよかった、信頼できる先生方、心を許せる看護師のみなさんに出会えたのは、エイトが導いてくれたのだと思いました。



翌日の5月18日は地元で花火大会がありました。
昼間はいつも通りにエイトに会いに行き、夜は自転車で土手まで行き、主人と2人でレジャーシートを敷いて花火を見上げながらエイトのことを話しました。
「来年の花火はエイトにも見せてあげようね。」
「エイトが退院してきたら、13トリソミーの子供たちの写真展に一緒に行こう。そしてお友達に沢山会いたいね。」
「私たち家族の目標のリオくんみたいに海外旅行に行きたいね。」
花火を見ながら、エイトとしたいこと、行きたいところ、目標を沢山話しました。
ひたすら前向きな話をしました。前向きなことだけを考えていました。


5月19日、主人といつも通りの時間にエイトの面会に行くと、看護師さんが待ち構えていました(笑)
そして「手術前に何かできることがないかいろいろ考えてみたんです。それでお風呂に入るところを見てもらおうと思って!!いつもは午前中に入れるんですけど今日は待ってました!あと、手形足形取りましょう!ちょうど使ってないスタンプ台があったので、えいちゃん専用にしちゃいます!」と提案してくれました。
(看護師さん方はエイトのことをえいちゃんと呼んでくれてました。発音は、えいちゃん↑じゃなくてえいちゃん↓です(笑))

ということで早速お風呂タイム!
私は看護師さんの横で補助を。主人が動画&写真担当。

最初はご機嫌ななめでお怒りぎみ(笑)
大切なところ見えちゃってるのはご愛嬌で(笑)

頭を洗ってもらい始めたら気持ちよくなってきたのかだんだん穏やかな顔に。

たまに横目でチラッと看護師さんを見ます(笑)
後半はとても気持ちよさそうにしていました。
初めてお風呂に入るところを見ることができて、とても嬉しく楽しい時間でした。

1ヶ月記念の時の手形足形は黄色い方で、今回取ったのが紫の方。
ちょっと大きくなったかな?



お風呂から出たあとはパパからのミルクタイム。
この頃は乳首を直接吸う練習もしていましたが毎回お怒りぎみでした(笑)
母乳で溺れてしまわないように、ある程度搾乳してほぼ出なくなってから乳首を吸わせるので、エイトがいくら吸っても母乳は出てこないのでそれでお怒りに(笑)
哺乳瓶から飲むのはだいぶ上手になってきていました。


ミルクを飲み終わったあと、パパに抱っこされたままエイトはスヤスヤと寝始めました。
パパも眠くなったのか、一緒にスヤスヤ。
そんな2人の穏やかな姿を見ていたら涙が溢れてきました。
「こうして家族3人で過ごす穏やかな時間を、早く家で過ごせるようになりたい。家族3人で過ごす大切な時間を少しでも多く作りたい。」そう思いながら穏やかな2人の姿を見ていました。


面会時間を終えて帰る頃になってベッドに戻されても、気持ち良さそうに寝ていました。
パパから髪の毛遊ばれても我関せず(笑)

とにかくここ数日、エイトはよく寝ていました。
看護師さんと、
「手術にむけて体力温存してるみたいに感じるよね。」
と話していたくらい、本当によく寝ていました。
優しい寝顔を見ることが私にとって最大の癒しになっていました。


手術前に貴重な時間を作ってくださった看護師さん方には本当に感謝しかありません。
GCU担当なのに、エイトをとっても可愛いがってくださって、自分の休憩時間を割いてまでエイトの顔をNICUまで見に来て抱っこしてくださる看護師さんもいらっしゃり、みなさんに可愛がっていただいてエイトは本当に幸せ者だと思っていました。
主人はいつも「エイトばっかりモテてずるいなー(笑)」と言っていました(笑)
看護師さん、美人さんばっかりだったもんね(笑)


こうして、エイトにとっての一番の大きな心臓の手術の日は刻一刻と迫っていきました。



自分で一年前のあの時のことを整理するため、ブログに書いています。
手術の日のことは辛くて書けない部分もありますが、書けることは書こうと思います。