土曜日の早朝のことだった。
突然、腰に激痛が走る。
そして時間を追う毎に痛みは増すばかり、とうとうにっちもさっちもいかなくなった。
ダンナが慌てて知り合い数名に電話をするが、なにせ早朝5時だ。
何回かのコールの後、近所のシーグレットさんから折り返し連絡があり、急遽駆けつけることに。
さっそく救急車を呼んでもらう。

「はーい。お待たせえ~♡」
といったか定かでないが、のんびりと歩いてやってきた救急隊員。
もうこっちは激しい痛みで気を失いそうなのに、まったく慌てていない。
しかも余裕の笑顔さえ浮かべている。
それから車いすに乗せられたが、隊員達は毛布もなにも用意してないので、仕方ないから
自分のジャケットを身体に巻き付けた。
無駄なものは一切省く、の精神。さすがドイツだ。
玄関を開けると、案の定、外は凍るように寒い。

「じゃあ、出発しますねー!」
とうとう人生初・救急車試乗体験の始まりだ。
と、ものの数秒後にものすごい揺れを感じる。
しかもそれが延々と続くからたまらない。
もしも傷の深い病人だったら、大量の血が出てそのまま死亡しそうな勢いだ。
私は幸いにもバンドでベッドに巻き付けられているようだが、これは床にたたきつけられないよう
安全の為だったんだなあ~、ははーん。
こうなると、トラックの積み荷の気持ちが痛いほどよく分かる。
でも、いったいどれだけ揺れるねん!!

そして10分後、気を失いかける寸前にやっと到着した先は、ドーンとそびえ建つ大学病院。
ベッドに乗せられたまま、足早に病院へと運び込まれた。

明日へつづく。