1週間に一度や二度、街へ繰り出すのがここライプチヒでの楽しみだ。
今年はドイツ人も驚く暖冬なので、まだまだ余裕で自転車に乗ることが出来る。
家から街までは森のような公園を抜けていくので、これまたとても心地よい。
池に綺麗な弧を描いて泳ぐたくさんの水鳥、優雅に散歩を楽しんでいる老人達、
私を追いかけてくる教会の鐘の音。
みんなドイツで知った楽しさだ。

街で用事を済ませた後、デパートで買い物をすることがよくある。
さて、今日は大根あるかなあー
おーあったあった、ラッキーだ!
大根はドイツではめったに見ることがない。だから棚にあれば必ず買うようにしている。
それから椎茸。
こちらでは「SIITAKE」と高級感漂う盆に入って売られているので、
なかなか手を出せないほどこれまた高級なお値段なのだ。

ドイツには変わった種類の野菜がたくさんあり、在住日本人から調理方法を聞こうと思いつつ
まだ教わったことがない。
でもその中でごぼうもどきの野菜があったので、物は試しに、、と、きんぴらごぼうを作ってみた。
味は、、うん、なかなか美味でこれは使える。
そのドイツ名は長ったらしくて「Schwarzwurzel(シュバルツブルツェル)」。
思わず舌を噛んでしまいそうだ。

ドイツ語はホントに難しくて、野菜とて例外ではないが、普段買いをしているものは
いくらなんでも10ヶ月も住めばやっぱり覚えてしまう。
タマネギ:Zwiebel
ニンジン:Mohren
じゃがいも:Kartoffel
卵だけははなっから覚えやすくて、Ei 。
でも、どれもこれも英語と思いっきりかけ離れた単語だ。

さあ、レジに並んで早いとこ買い物を済ませよう。
「これは何ていう野菜なの?」
拙い英語で、店員が話しかけてくる。
そう、それはあの大根だ。
英語で「Japanese radish」というこの野菜、さすがにドイツ語は覚えていない。
あーあ、と溜息一つ、それからその若い店員は名前を確認しに席を立った。

ドイツ人はほとんど野菜なんて買わない。
夕方、レジに並んでいる人の食料を何気に見るけど、ハムにチーズ、ヨーグルトや
缶詰めなどなど、、、それは至ってシンプル。
日本人が買う大量の野菜や肉、魚のような材料を買う人なんてここではほとんど見かけない。
本に書いてある通り、やっぱりドイツ人って粗食なんだった。


ライプチヒ歳時記-野菜