「よーい、始め!!」
一斉にかけ算のスピードテストが始まった。
これは昨年度から引き続き、今日で4回目。
おまけに先生までがこのテストに参加して、生徒に負けまいと必死の形相になっている。

この授業は、もちろんリカ達二年生ではない。
そう、信じられないけれど、れっきとした4年生の授業風景なのだ。
コルビン先生が顔を紅潮させて
「やったあ、一番ヨッ!」
冗談交じりとは思えないほど嬉しそうにしている。
日本人のサトシに、半分日本人のナオキは、いつも先生に近いタイムでテストが終るので
先生もけっこうな気合が入っている様子。
ナオキは日本語はもちろん、英語とドイツ語がペラペラのトリリンガルだが、
かけ算はやっぱり日本語で覚えている。
なんたって英語と違って語呂合わせでラク~に覚えられるし、それにこんなに九九を覚えやすい
言語はないんじゃないか、とドイツへ来てから気が付いた。

いつものように、先生が答え合わせをしている。
「はい、いいですか?それでは一列目の上から答えを言いますね~!!
twelve, forty-five, seventy-two, forty, あっ、間違えた、ゴメンゴメン、 thirty-six,,,,,」
こんな感じで英語の数字を読むとなると、てんでややこしいったらありゃしない。
先生ですら答えをたまに言い間違えてるし。

そして、かけ算を英語で言うと、また一段と長ったらしくなってくる。
9×8=72
これを英語でいうと、
nine times eight equal seventy-two
日本語では誰もが知ってる「くは しちじゅうに」。
日本語では×をただ「かけ」と言うだけで済むのに、ここでは「multiplication」だ。
もー、言うだけで疲れるっっちゅーねん。
こんなのもあって、日本語は算数を勉強するのに特別有利に働くんじゃないか、
と勝手に推測している。

おおっと、すでに答え合わせが終っているようだ。
今からは間違いの数とテストを終えた時間を、順番に先生へ報告していく。
4回目ともなれば、なかなかみんなやるじゃないの。
やったネ、20人中13人が満点だ!!
(日本の小学三年なら全員が満点のはずだが・・・・・)

ドイツっ子は、やっぱり算数が苦手、、なんだった。


今日の問題。サトシがダントツで早く解答した。だけど日本の4年生だったらみんな早いはず。
やっぱり、日本の算数レベルって世界一スゴイ??
ライプチヒ歳時記-算数の問題