廊下に飾ってある二年生の絵
「せーのっ、いっただっきまーす!」
さあ、楽しい夕食の時間だ。
と、ビーッ、ビーッ、ビーッ~!!
あいかわらずの、けたたましい呼び鈴が部屋中に響く。
ウチのダンナは明日まで出張だし、こんな時間にいったい誰だろー・・
疑わしげに玄関を開けると、そこには一人の老人が。
名札を見ると、以前にもあった国税調査(CENSUS)の係員だった。
ジーサンのくせに男前だなあ~、日本ではとんと見かけない顔立ちだし。。
なんてふと考えるが、そりゃそーだ、だって彼はドイツ人。
「5分だけ、5分だけ。」
そのジーサンは前回の係員と同じことを、またしつこく言っている。
マニュアルにも書いてあるんだろうか、、、とにかく玄関口では寒いので
中に入れることに。
「アー、、」と彼は言葉に詰まった。
そう、彼は英語がほとんど話せないのだ。
でも前回とは違い、白人や黒人、エジプト人にチリ人だってなんだって
彼らとの会話はどうにかなるもんだ、と今なら度胸もついている。
私が片言のドイツ語を話すと彼は理解してくれ、家族分の用紙を全て
埋めることが出来た。
ジーサンは安堵の息を漏らし、颯爽とした足取りで次の家へと向かっていく。
と、またもやビーッ、ビーッ!!
おや、さてはジーサン、忘れ物をしたな。
扉を開けたら、今度は晴れやかな笑顔をした青年が立っている。
ものすごい勢いのドイツ語だったから、英語で話してくれ、と頼んだら
なんと彼は、
「ゴメン、卵を一コちょーだい!」
彼の勢いに押されて、すぐさま割れないように紙でくるんで手渡した。
「楽しい夜をネ!」(Have a good evening.)
英語での定番の別れ言葉を口にすると、彼は足取りも軽やかに去っていく。
ふと我に返り、考えた。
今の青年はいったい誰だったんだろー??
ホントに訳の分からないことが頻繁に起こる、ここはライプチヒだ。
もうすぐクリスマスマーケットの始まりだ

