夕方、食事の準備をしていたときのこと。
「ビーーッ!!」相も変わらずけたたましい呼び鈴が鳴り、いったい誰?と戸を開けた。
そこには、一人の見慣れぬジイサンが立っている。
ペラペラと流れるドイツ語、でも、もちろん分かるはずもない。
英語は話せますか?と聞いたらもどかしそうに、でも訥々と彼の口から英語が飛び出した。
すると「アレッ?お母さんは?」とそのジイサン。
いつか言われるだろと思っていたが、彼は、私が子供だと勘違いしたらしい、、、

なんとか誤解が解けて、それから、五分だけ、五分だけ、とそのジイサンは執拗に言っている。
いったい何が五分なのか訳が分からないまま、家の中へと招き入れた。
ちょっとヤバいなあ、、新手のセールスだろーか、、、と冷や汗が。
でも一見すると何かの調査のようだったので、盛んに口にしている「CENSUS」を調べた。
、、、、すると、これはどうやらドイツの国勢調査のようだった。

ジイサンは、ゴソゴソと数枚の用紙を取り出して質問しだしたが、なにせ、お互い下手くそな
英語だから話が全く先へ進まない。
でもジイサンは、いつ頃覚えたのか定かでない英語を、遠くを見つめながら必死で思い出そうと
頑張っている。
それから、ボチボチと項目が埋まっていった。
宗教まで聞かれたのには驚いたが、それもココでは普通のことなんだろうなあ。
それからおもむろに「リッチ?」と聞かれる。
エッ??このジイサン、ウチが金持ちかビンボーかと聞いているのかっ?なんてダイレクトな!
だけど、ジイサンは別の単語と言い間違ったらしい。ちょっと恥ずかしそうだ。
あーよかった、あやうく変な事を答えそうになったゾ。

家族4名分の用紙を全て書き終わって、ホッとしているのが伝わってきた。
それにしても、お互いよく話が通じたな、、、ホトホト感心する。
日本のどこに住んでたの?と聞かれ、大阪近くの奈良です。と答えた。
ドイツ人はたいがい大阪のことを知っているので、奈良を説明するには好都合だ。

でも、こんなことが今から先、たくさん出てくるんだろうなあ。
ドイツ語、少しずつでも覚えなきゃなあ、と実感する出来事だった。


                            街の一角でスゴイ人だかりだった音楽隊
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