六月十三日に、USEN音楽放送で流れた曲を教えてください。(午後五時頃に)

 流れた曲の人が歌い方も声もオードリーの若林さんにそっくりだったので、気になって。ぜひ、知っているのなら教えてください。お願いします。


 憎しみ。

 人を変える力。

 憎しみ。

 もっとも強い力。

 其の力が、

 父上を強く、

 強くする。 

 成高は思い悩んだ顔をしながら出仕していた。騰蛇もだった。

「やっぱり、天后がいないと寂しいね」

 成高は笑顔で騰蛇に言うが、騰蛇は意地を張ったように、

「別に」

 と返した。まぁ、期待なんかしていなかった成高はそれを受け流した。その時だった。

「これは、これはお二方」

 冬摩が二人の前に現れた。

「冬摩・・・・・っ」

 騰蛇は殺気と通力が零れ落ちていた。成高も無言で睨んだ。

「天后を返せ」

 成高は印を組んだ。騰蛇も炎を召喚した。其の時だ。二人は急に体から光を放った。そして、魂が二人の前に現れた。冬摩はにっと笑い、懐から瓶を出し魂を吸い込んだ。

「今のは・・・・一体・・・・」

「すべてが、完成した」

 冬摩の意味深な言葉に、

「何がだ」

「これで、父上は完全体だ」

 冬摩は消えた。


「どうして、そんな力が欲しい」

「父上である蛇神の強化のためさ」

 冬摩はさらりと言う。孝時は冬摩を凝視する。

「では」

 冬摩は消えた。


 人は憎しみに染まれば、人が変わる。

  人を変えるほど憎しみの力は強い。

   この世でもっとも強い力なのかもしれない。

 次の日、孝時は朝早くから海に出かけていた。海は濁っているような色をしていた。

「・・・・・」

 孝時は思いつめた顔をして、海を見つめていた。こうして、静かなところにいると過去のことが過ぎって来る。

「神はどうして、助けてくれないんだろう」

 過去の嫌な思い出がよぎってきた。憎い。憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い。


 天后は、見知らぬ湖に立っていた。

「ここは・・・」

 すると木霊するように、

「無感情、無表情、とせよ。魔蝶」

 天后の周りに、綺麗な黒い蝶が視界を埋め尽くした。冬摩は次は何しようかと考えた時、何かを察したのか出て行った。


 孝時は目の前に光の魂が出てきて、目を丸くした。

「これは」

「私が欲しがっている魂だよ」

 冬摩が突然現れた。そして、冬摩が持っている瓶に魂が入った。

「お前が欲しい力って・・・・」

「憎しみという力が今は欲しいのだ」