母の病名が判明し


死にかけている母には


一刻も早い手術が必要であった


しかし頭の手術である


体の全てをコントロールしている脳を切除するのである


簡単に切るわけにはいかない


まずは、脳内の血管の位置を把握しなければ手術はできない


足の付け根、股の部分から

血管像影剤を入れて脳の撮影をする


動脈から入れてるため


もし下手に動かすと大量出血してしまう


母は頭の病だが体は元気である


無意識に動かす可能性があるので


ずっと押さえていなければならなかった


父と二人で病室に泊まり込み


交替で一晩中足を押さえ続けた



手術当日

手術室へと向かう母の無事を祈りながら

見送った


しばらく病室にいたが


手術は9時間の予定


いても仕方がない


一旦帰宅する


また夕方に病院へと向かった


少し待ったところで


終了したとの連絡が入る


初めてICUに入った


母がいる


8時間以上の手術

よく頑張った母がいた


先生にも感謝


あとは麻酔から醒めて

母が意識を取り戻すのを待つしかない


母を残して帰宅する



そういえば朝から何も食べてない


胸がいっぱいで空腹感なんてものはないのだ


父が言う

「食欲ないやろけど食べなあかん」

「お母さんの事は心配やけど、回りが倒れてしまったら誰も面倒見られへんねやから無理してでも食べろ」

父の言うとおりだ


食べなければ


何食べても美味しくないし

お腹すいてないけど


頑張って食べた


テレビを見ていても


視界には入っていなかった

音は耳から入ってくるけど


何も聞こえなかった




布団に入っても簡単には寝られなかった


母の病気がわかってから


一人自室で寝る初めての夜


今まで張りつめていた糸が切れた


泣いた


おもいっきり


布団の中で泣いた


涙が枯れるまで泣きじゃくった


散々泣いたあと心に誓った


お母さんはまだ生きてるやん


頑張ってるやん


お母さんに残された時間は少ないかもしれないけど


その残された時間を泣いて過ごすわけにはいかない


これからはもう泣かへん


お母さんが生きてる間は


絶対に泣かへんで



そう誓ったのだった




翌日、病院に行くと


母は目覚めていた


そこには無邪気に笑う母がいた


第一声

「は~~い(^o^)/」


ロングヘアーだった母が

丸坊主で無邪気に笑ってる


頭のてっぺんから


チューブが差し込んであり


そこから血液が行ったり来たりしている


母の笑顔と合わせて見ると


オバQみたいで面白かった


家族皆で笑い合った


幸せな瞬間だった