最初に医者から病名を聞いた時は何の病気か見当もつかなかった。

統合失調症。幻覚や幻聴まさに自分を苦しめた症状が原因の病気だ。

 

正直、精神疾患に自分が掛かるなど思ってもいなかった。

うつ病で休職した話を聞くと精神的に弱いからだと一方的な偏見を持っていた。

それに近い病気に自分がかかったことがまず信じられなかったし、何より自分は弱い人間だとレッテルを貼られたようでショックだった。

 

入院生活は1ヶ月近く続いた。

スマホ、テレビ、雑誌、普段当たり前に見たり聞いたり出来るものが無い環境は25歳の若者にはいささか辛かったような気がする。

 

仕事をしていた時はあれほど寝る時間が欲しいと思っていたのにいざ入院して時間ばかり余ると逆に焦りが出てきてしまっていた。

早く復帰したい。健康なのになぜ入院しているのか。それこそ甘え、楽をしているのではないか。

 

それでも時間は刻々と過ぎていき気づけば外出許可が出るくらいまで落ち着いた。

太陽の明るさなど等に忘れてしまった生活をしていたため、久しぶりに太陽を浴びた瞬間は今までにない感情が湧いてきた。楽しい。そして気持ちがいい。

 

車の中ではいろんなことを考えた。

外に出ただけで自分が健康的な若者であるかのような錯覚を覚えた。

それでも自分は病人であるとという現実は避けては通れない。

これからどうするか。本当に治るのか。

悩んでも仕方ないことをひたすら悩んでいた気がする。

 

その後は外泊を数回し無事退院することができた。

退院の日は時間が経つのが遅すぎるくらい遅かった。早く病院を出たかったから。

 

病院から家に帰る道中。今頃朝礼終わって部材を積んでいると現実を見た。

結局のところ受け入れるしかないんだと、この現実を受け入れるしかないんだと。

 

医者は100人に1人がかかる病気だと説明した。

100分の1のクジを引いてしまったに過ぎない。悪運が強いとはこういう男のことをいうのかもしれない。

 

この先、もしかしたら普通に働くことが困難な状況が来る可能性もある。

それでも、自分を否定せず、寧ろ不良品らしく悪あがきしてみたいと思う。

 

病気だからしょうがない。そんなことを思われたら私の負けだろう。

少しくらいハンデを背負った方がエンジンになる。

そう信じてこれからの人生を歩んでいきたい。

 

そして、こんな日があったと笑って話せる日を信じて。