私が担当する名古屋岐阜の営業にTという男がいる。




津留﨑という。




プライバシーの問題で、ブログではTと呼んでいる。





こいつかなりスゴイ。




今日はTの所属するチームのリーダーYと三人で飲んだ。





Tはなぜか気分が良いらしく、




ハイピッチで飲んだ。




で、適当なことをしゃべりまくる。




「明日はアポが8件入ってるんです。ばっちりです」




そもそも明日のアポの件数を語るような会話はしていなかったが、



なんの脈絡もなく自分の話したいことを話すのがT流だ。



「ふーん。すごいね」と私とYは大人として話を受け止めた。




1分後、Tは再びさっきと似たことを言い出した。



「なんたって、明日はアポが7件入ってますから。ばっちりですよ」





ん?




ほんの1分くらいで1件少なくなった。




思わずリーダーYが「あれ?1件減ったね。さっき8件って言ってたよ」とつぶやいた。




Tはカバンから手帳を取り出し、週間予定の欄を指さしながら数えた。




「1、2、3、4・・・・・5、6、・・・・7、8!ほらー8件ですよ」



最近流行の「どや顔」だ。




私とTはもはやどうでも良かったので、



「すごいね8件だね」と流した。



会話が成立していない。






手帳を見た私には、明日の8件アポより、明後日の0件の方が気になってしかたなかったが・・・。




その後、店の前で別れたら、Tは一目散に名古屋栄の街に消えていった。




しばらくするとタクシーに乗る私の携帯電話にTからの着信が・・・



「あの、もう帰りましたか?もう一杯どうかなと思って・・・・」



かなりめんどくさそうなので、




「明日も仕事だし今日は帰って寝る」と言って電話を切った。