バレーボールの全日本選手権(皇后杯)で、
東九州龍谷高校が注目された。
私もスカパーのスポーツジャンルを有料視聴していて、
皇后杯の多くの試合を見たが、東九州龍谷高校には非常に興味を持った。
全国選抜優勝大会、全国高校総体、国体で優勝し、
高校では敵なしだった同校。
とにかくサーブレシーブが上手い。
ほぼ7割くらいは、セッターがその場でジャンプトスできるジャストカット。
そこから早いBクイックと左右の平行がとぶ。
いくら高いブロックでも、あれだけ早いと初対戦で止めるのは難しい。
さらにこのチームの面白いのはレシーブがネットから離れたり、セッター以外がトスをあげる場合。
普通のチームなら、打ちやすさを考慮した軟らかい大きなトスを上げるのだが、
このチームは常に低くて速いトスを上げる。
セッター以外もバックトスの平行をびゅんびゅんあげる。
その低いトスを170cmそこそこの中型選手が思いっきり打つ。
かなり練習しているだろうし、みんながそのタイミングに慣れているのだろう。
中途半端に弱いチームほど「コンビバレー」という名の速いだけで確実性の低いバレーをする。
柱となるエースがいる強いチームは、チャンスでは速いバレーをするものの、
そうでないときは、しっかりと大きなバレーをし、全員で1人のスパイカーをフォローする。
しかし、東九州龍谷高校はエースもいるが、常にコンビバレーだ。常に速い。
タイムアウトの時、監督はスパイカーに打ち切ることを何度も指導しているようだ。
どんな低いトスも、どんな打ちにくいトスも、スパイカーは打ち切る!
おそらくそんな指導だ。
きっとこのチームのスパイカーには「トスが悪い」という言い訳は許されていないのだろう。
結局、東九州龍谷高校は、
プレミアリーグのNECを破り、
次に同パイオニアをやぶり、
準決勝ではプレミアリーグ2位の久光製薬から1セットを奪うも負けて大会を去った。
準決勝のサーブレシーブ率は66.3%。サーブミス0本。
ゲームセットの瞬間、3年生の選手は泣き崩れた。
それは負けた悔しさではなく、
3年間ずっと一緒に練習してきた仲間と
共に戦う最後の瞬間を迎えたからだ。
テレビの前でおっさんも涙してしまった。
彼女らのこれからの人生が、今よりさらに輝くと確信する。