「失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる。」
パナソニックの創業者。
松下幸之助の言葉。
昨年1月に移転する前のオフィスに貼っていた言葉だ。
仕事をしているとうまくいかないことは多い。
うまくいかないまま、あきらめたら失敗だ。
けどあきらめずに続け、最後に成功したら、
「うまくいかなかったという事実」は、
単に、うまくいったことの「過程(プロセス)」にすぎない。
たいがいの仕事は成功の何倍も失敗を経験する。
たとえば、今の会社の営業が、新規のアポ取りの電話かけを行ったら、
アポ取り1件成功のために、15件くらいの失敗を味わう。
薬品メーカーの研究職なんかだと、何万回もの失敗をくりかえし、
1回の成功を目指して日々の実務を行っている。
失敗も仕事のうちだ。しかたない。
ところが、昨今の後輩たちの中に、失敗に免疫をもたない人がいる。
受験とか、就職とか、比較的に自分の思い通りに進路を決めてきた人に多い。
失敗にへこむのならまだ軽症。
ひどいのは、失敗が怖くて動けなくなる。
たとえば、営業職なのに電話ができない。
顧客フォロー担当なのに、客先に行かない。
「断られるかも・・・・」
「客先に行っても話すことがないので・・・・」
100%うまくいくことが前提になった考え方だ。
失敗は無駄なことだと思っている発言だ。
こういう人たちにつける薬はあまりない。
私は半ば強引に、仕事をさせるようにしている。
「電話100件かけるまで、外出禁止」
「今日、クライアントを5社以上訪問するまで帰ってくるな」
私のことは嫌いでもけっこう。
私のことが怖いから仕事をするでOK。
そのうち、失敗の繰り返しの中に、
成功の糸口があることに気がつく。
それまでは、私を恨みながら仕事をしてもらって構わない。
これまたマネジメント側としてはしかたない。
それがこちらの仕事だったりするので。