前回の続きです。

次第に意識も遠退く。
私の奥さん、私を見て

「冗談じゃないよね?」


返事をするのがやっと、しかも「うん」しか声を出すことが出来なくなってる。


奥さん、異常な事態に


「救急車!」
奥さん救急車を呼んでくれた。
(ここは判断早かった。今思えば、この判断の早さに感謝)


薄れる意識の中、横隔膜がひとりでに動く。
(食事中の方、ごめんなさい)
嘔吐が始まる。不思議と気持ち悪くないのに勝手にもどしてしまう。


程なくして、救急車到着。
まぶたは閉じているが、まだ意識はある
(記憶があると言うべきか)
数人の救急隊員か自宅に上がり込む。


私の肩を数回叩き
「大丈夫ですよ、これから病院に運びます。」
こんな感じの事を言われた気がする。


嘔吐している私の姿を見てか?
後ろの隊員が「頭をやってる可能性があるから慎重に搬送するように。」
なにやら他の隊員に指示を出している。


その時に初めて、自分の身にただ事ではないことが起きている。そう感じた。
(体は動かないままである。)


そう思いながら、
てきぱきと隊員さん行動している。
私の頭にヘッドギアの様なものを装着している。


※注記しますが、この辺は耳から入る情報のみで推測で書いています。


救急車なのにやたらとゆっくり走る。
(後から聞いたが、脳卒中系患者の搬送では、揺れが患部に良くないから、ゆっくりされるとか。)

救急車のサイレンが子守唄のように聞こえる。「あぁ、このまま私は…」
良くない事を考えてしまう。


そう言えば遺書書いてないな。
こんな事ばかり考えていた気がする。


もう、記憶が飛び飛びになっているので
詳しくは書けませんが、病院に到着していた。再び私の肩を叩く人が。


「satoさん、ここは何処だか、わかりますか?」


目を開けると、私の顔を覗き込むように白衣を着た人が話しかけている。
(私の主治医になる人でした。)


私、かすれる声で「…病院…。」


先生、「安心してください。これからsatoさんの写真(MRI)撮ってから、治療を始めますね。」


離れたところで、集中治療室のナースと先生が話している(夜なので人少なく声が通る)


運悪く、この日は緊急搬送される方が多く、私は廊下で診察されていたようです。
(どんなに忙しくても見ていただく先生と看護師の皆さんに感謝です。)


先生の会話
「写真を見てみないと、なんとも言えない。
血管の奇形があるとオペ(手術)リスクが大きいから、その確認をしてから判断する。」
こんな会話が耳に入ってくる。


ここで私の記憶は途絶えた。
まだまだ続きます。
(長文お付き合いありがとうございます。)

次回から、入院生活編です。