ご注意下さい
学園祭の前日、俺は潤に校内を案内してもらっていた
基本、開催場所の高校が片方を招待するかたちをとっていたので、準備の進み具合を見て回っていた
途中で、潤が生徒会長に呼ばれ俺1人で3階まで上がってきた
そして、とある教室を覗くとそこには部屋中に絵が飾られていた
誰も居なかったので少しだけ覗いていくことにした
人物画や風景画、油絵から水彩画、なんの意味の絵?と思われる不思議なものまでたくさん飾られていた
ふと、1枚の絵に目を奪われた…
「…桜…」
それはキャンバス一面に桜の花びらが描かれていた
桜の色ってこんなにたくさん出せるものなのか?
描かれていた一枚一枚の花びらは全部違う色の桜色に思えた
なんて繊細なタッチなんだろう
俺はしばらくこの絵に釘付けになっていた
「…あっ」
俺はおもむろに制服の内ポケットから生徒手帳を取り出した
そして、カバーに挟んである『あなたの桜の花びら』を見た
「あれぇ、誰?」
後ろから懐かし甘い香りがした…